財務省は「歓迎」 民主党政権への意外な反応

民主党政権が最重点政策のひとつに掲げる「霞ヶ関改革」。総選挙のはるか前、福田康夫元総理辞任のころから、永田町の水面下では「政」と「官」の腹の探り合いが行なわれてきた。利害の一致を見いだし歩み寄りの姿勢を見せる財務省、事業の見直しを迫られる国交省や農水省、それぞれの省庁の今後に注目が集まる。本誌取材班

■霞ヶ関は「お手並み拝見」の構え 政官の“権力の空洞”を どう埋めるか 若林 亜紀自民党が下野し、政治家と官僚のしがらみが切れた。これまで日本を動かす権力の源泉だった政官の利権複合体がいったん消滅し、権力の空白が生じている。民主党は与党と官僚の間にぽっかり開いたこの {権力の空洞} をどう埋めるか。日本の新たな国家百年の計の始まりである。■元文部科学官僚・寺脇研さんに聞く 民主党は「旧内務省」を解体できるか民主党政権が「政治主導」を実現できるか。そのカギを握るのが「旧内務省系」と呼ばれる省庁への対応だ。根強く残る「権力者のDNA」と対峙する手法とは? 元官僚の寺脇研さんが語った。■「新しい霞ヶ関を創る若手の会」メンバーが語る 縦割り、省益主義を脱し新しい国家像のための議論を前例踏襲、縦割り、省益至上主義……霞ヶ関の制度疲労が指摘されて久しい。その渦中にいる二〇?三〇代の若手官僚は、日々の業務に何を感じ、この国の将来像をどう描いているのか。省庁の内側から声を聞いた。

  • 加藤登紀子 佐高信 対談 デビューから四四年。現在全国コンサートツアー中の加藤登紀子さん。その音楽の魅力に佐高が鋭く切り込む……はずがのっけからまさかの脱力クエスチョン。対談は素直すぎる答え連発、ついには初対面の逸話も飛び出して-。
  • 「魔の山」が子どもを喰い殺す?石原都知事が南山開発で問題発言 斉藤 円華都は一〇〇億円を投じて「海の森」をつくる一方で、四七億円を費やして「山の森」を破壊しようとしている。しかも都知事からは事実誤認の「魔の山」発言まで飛び出した。
  • 「9・11」から八年 孫崎享前防衛大学校教授に聞く今こそ問われる米国の「陰謀・謀略」の歴史 聞き手 成澤 宗男「9・11」事件の発生から、八年を迎えた。だが今に至るまで、事件を捜査したFBIは「真犯人」を特定していない。一方で「対テロ戦争」と称して事件を口実にブッシュ前政権が始めたアフガニスタン戦争は、オバマ現政権で拡大されている。この不可解な現実を究明する上で必要なのは、戦争を起こすために米国が仕掛ける謀略工作の理解なのだ。
  • 真に消費者を守る組織を目指せ消費者庁と消費者委員会が発足 岡田 幹治消費者行政の一元化と強化で「生産者が主役の社会」を「生活者が主役の社会」に変える――そんな触れ込みで設置が決まった消費者庁と消費者委員会が、九月一日発足した。衆議院選挙の二日後という政権交代のはざま、準備不足での船出だ。
  • いまだに残るJR東日本不正取水事件の爪痕反省なき再申請への動きに、地元の反発高まる 古川 琢也JR東日本が信濃川から不正取水していたことが発覚し、同流域での水利権を失ってから六カ月が過ぎた。懸念された夏場の電力不足こそ切り抜けたといわれるが、地元に残された傷跡はいまだ深いままだ。
  • 三九歳の餓死「助けて」の声を無視した北九州市生活保護行政 藤藪 貴治国の指導による「ヤミの北九州方式」のもと、二〇〇五年から三年連続で生活保護から排除された市民が餓死・自死した北九州市で、またしても生活保護を受けられなかった男性が餓死した。繰り返された悲劇。市の対応を検証する。
  • 教育があぶない2009教育の機会均等 弱者切り捨ての教育政策瓦解する「学び」のセーフティーネット 平舘 英明民主党政権は、公立学校の実質無償化を謳っている。しかし、進学率九八%の高校教育では、学校の統廃合、経済的苦境、競争による階層化で「教育の機会均等」は崩れつつある。この現実に新政権の手腕が問われる。

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