死刑を考える
裁判員制度開始から一年。もうじき、一般市民が「死刑にするか否か」の判断を迫られる。政権交代後、死刑執行が停止された「モラトリアム」が続くが、それは私たちがきちんと「考えた」結果なのか。いまだからこそ、死刑に正面から向き合いませんか?
■死刑から「逃げ」た 執行停止状態は 最悪です 中村文則 × 藤井誠二現実の話として、いまさら裁判員制度をやめることは無理なので、これはほんとに「お願い」なのですが、とにかく死刑の求刑が出たときの裁判は、裁判員制度はいったん停止して、量刑判断はやめませんか?と言いたい。現実論としてはそこしかない。(中村)たとえば冤罪の場合、足利事件の菅家利和さんは「当事者は謝罪せよ」と求めているけど、あれがもし裁判員裁判だったら、裁判員は菅家さんに謝るべきなのか。当時の裁判員をもういちど招集して、検証するのか、という話になってしまう。(藤井)■日本弁護士連合会事務総長 海渡雄一さんに聞く 国際基準に沿って「停止」の判断を死刑の「停止」を訴え続けてきた日弁連から見て、現状の「死刑モラトリアム」や、存置が多数を占める世論をどう考えるのか。今年四月に事務総長に就任した海渡雄一さんに聞いた。■知っていますか? 絞首刑の真実 後藤貞人日本の死刑が「絞首刑」であることすら、知らないままの人は多い。しかし、その歴史や法的根拠、執行の現場で起きている悲惨な「失敗」事例など、知るべきことは他にもたくさんある。■あなたは人の生を 計れますか 雨宮処凛 × 萱野稔人昨年の内閣府調査で「死刑」を容認する人が85%に上った。国家の名の下で行なわれる“人殺し”を、私たち国民は本気で支持しているのか……。あなたは、誰かに「死ね」と言えますか?自殺はできないから頼むから死刑にしてほしいみたいな。そういう人にとっては死刑が罪を犯す理由になっちゃっている。雨宮死刑を終身刑に置き換えることが必ずしもいいとはいえない。これは、なぜ死刑を廃止すべきなのか、という本質的な議論に関わる問題。萱野
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