孤独死・自殺・無縁社会 “死”と向き合わない日本
■タナトラジャ「死の儀式」 生の頂点にある死 写真と文 石本 卓史「「死」とは何か――。インドネシアのタナトラジャ地方で行なわれる独特の葬儀。そこでは、死が生の終わりでなく、生の頂点として存在している。■まず国が「孤独死」に向き合え 「無縁社会」で「死」と背中合わせに生きる人びと 西村 仁美「無縁社会」「消えた高齢者」など、メディアによる報道が続き、「孤独死」が改めてクローズアップされた二〇一〇年。しかし、国は、その実態さえつかんでいない。背景には、「死」にきちんと向き合ってこなかった日本社会がある。「孤独死」が身近な人びとは、どのような暮らしを国や社会から強いられているのか、その実態を追った。■自殺者3万人のかげで「二次被害」に苦しむ自死遺族 平舘 英明自殺者が一二年連続で三万人を超える日本。その悲劇のかげには、差別や偏見によって深い心の傷を受け、不利益を被る遺族たちが存在する。遺族を守るために、あらたな対策が必要となっている。■寺ネット・サンガ代表・中下大樹さんに聞く 闇のなかに光を見出す 聞き手・北村 肇(本誌発行人)「貧困」「自殺」「孤独死」――いま、「いのち」が危機にさらされている。そんな時代に宗教の役割を問い直し、「いのち」のネットワークづくりをめざす僧侶がいる。宗教とは「生きる力を与えてくれるもの」と明言する中下大樹さんに、現代の「生」と「死」について、本誌発行人北村肇が聞いた。――ひとり一人がちゃんと向き合うことで、そこから救いのようなものが得られると信じています。
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