朝鮮外交 外務省の無策が日本を滅ぼす

拉致問題への激烈な世論に、日本の朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)外交は10年間立ちすくみ、「威勢が良いだけの強硬論」に乗って制裁を続けてきた。結果として朝鮮政府は、ミサイルと同技術の人工衛星発射や核開発など「瀬戸際外交」を加速させている。東アジアの緊張緩和のためになにをすべきなのか。朝鮮が投げてきた新しいボールにどのように反応すべきなのだろうか。

●日本人墓地訪問と遺骨収集 朝鮮の新提案に動きが鈍い日本政府 写真・文 伊藤孝司●朝鮮現地取材 報告 北朝鮮の砲撃事件と朝鮮学校を結びつけた宮城県を行く 成田俊一もし日本がいまだに戦争終結宣言を出しておらず、米国と停戦中であるならばどういう事態になっているのだろうか。「平和ボケ」の日本人にはピンとこないだろうが、北朝鮮と米軍を中心とする国連軍はいまもって停戦中なのである。その結果が北朝鮮という国の姿をつくっているのだ。●北朝鮮の砲撃事件と朝鮮学校を結びつけた宮城県を行く 朝鮮学校に通う生徒に罪はない 野中大樹「絆」が何度も叫ばれた震災後の東北だが、宮城県では、震災発生後の昨年3月25日、2011年度の朝鮮学校への補助金打ち切りが伝えられた。主導した「愛国者」たちに「日本人の心」のあるべき姿を問うた。◆横田滋さん早紀江さん インタビュー 「制裁一辺倒ではなく糸口を掴んでほしい」「拉致問題があるから」という理由で高校授業料の無償化や補助金の対象から朝鮮学校が外されてきている。 しかし横田めぐみさんの父、滋さんは「拉致と教育は別問題」と指摘している。 妻の早紀江さんとともに本誌取材班が真意を聞いた。●極東ロシアで私が出会った北朝鮮の労働者たち 池森 憲一ロシアに行けば、北朝鮮のふつうの労働者としゃべることができるのではないか――希望と妄想と探検的好奇心が一気にふくれあがった筆者は、昨年末、ウラジオストクに飛んだ。

  • 「利権ありき」でスパイ事件化か 中国を刺激しただけで終わった1等書記官の外登法違反騒ぎ  春名幹男『読売新聞』が1面トップで報じて大騒ぎになった :スパイ疑惑”。だが、事実を詳細に追うと疑問ばかり浮かぶ。かりに官僚が国内政局へ利用しようとしたとすれば、その罪は大きい。
  • 反中派に利用された世界ウイグル会議  水谷 尚子中国政府に {弾圧} されているウイグル人の境遇はたしかに悲惨だ。だが、彼ら彼女らを支援することと反中を軽々しく叫ぶことは違う。ウイグル問題解決に誠意を尽くしてきた筆者が、真に必要な取り組みを提言する。
  • 故郷の地に眠りたい 中国に残された朝鮮人「慰安婦」  写真・文 安世鴻ニコンサロンでの写真展が予定されていた「重重―中国に残された朝鮮人元日本軍『慰安婦』の女性たち」は、右翼からの抗議を受けたニコン側から一方的に中止を告げられた(詳細は六月八日日号で既報)。安氏の伝えたかったものは何か。展示されるはずだった作品のひとつを紹介する。
  • 日本の原発がやってくる村 いまベトナムにある「安全神話」  写真・文 木村 聡福島第一原発事故の収束や原因解明も迷走状態なまま、日本の原発がベトナムに輸出される。現地で見えてきたのは、過去、日本が原発立地に使った手法そのままだった。
  • 「チェルノブイリ同盟」副代表 ヴェリキン氏インタビュー 「避難の権利」を認定した「チェルノブイリ法」とは
  • 札幌・姉妹のSOSはなぜ届かなかったか「餓死」や「孤立死」を防げない生活保護行政  雨宮 処凛「不正受給」が注目されているが、生活保護の日本での補捉率は三割ともいわれている。本来必要としている人が受給できず、死に至るケースが後を絶たない。札幌・姉妹餓死事件を追った。
  • 対談 佐高信×ピーター・バラカン 本誌でさまざまな方と対談している編集委員・佐高信。本人はド演歌好きだが、お相手がそうとは限りません。以前、矢野顕子さんとの対談では「そんな愚問は初めて」と返されました(二〇〇八年二月二九日号)。今回のゲストは海外の音楽に精通するブロードキャスター、ピーター・バラカンさん。間を取り持ったのは今回も、佐高の幼なじみで名音楽プロデューサー・三浦光紀さん。親友の与えた試練となるか、はたまためでたく意気投合となりますか……。日本人は初対面から5分もたたないうちに、どこの大学出てるか探り合ってるでしょ(笑)あるいは名刺交換がステイタスの確認だったり。――バラカン社長でもない平社員が「ウチの会社」とか言いますしね。いっそ名刺も名前より会社名の方を大きくしたら?と思うんですけれど。――佐高こんな小さな島国が、なぜ世界第2位の経済大国にならなきゃいけないのか不思議です。そのためにどれだけの犠牲を払ったことか。――バラカン

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