不公平社会を税制から変える 「富裕税」導入の絶好機!  本誌編集部

所得格差と貧困、一極集中する富……。参院で審議中の消費増税ではそれをさらに悪化させるだけ。不公正な金持ち優遇税制を変えるにはまず、戦後最低レベルにある所得税率に手をつけるべきだが、それとともに検討すべきなのが「富裕税」である。

●個人資産の半分800兆円は富裕層が握っている 1%でも数十兆円の税収 武田 知弘今の日本の経済状況から見れば、消費税ではなく富裕税をかけるべきなのは明らかだ。政府や財界・富裕層は、税を通じて「公正な社会」にしようという理念すらまったくないようだ。●インタビュー 格差社会を生んだ不公平税制を正すために社会の格差を是正する再分配機能が働く税制をどう考えるか。現税制を不公平税制と訴える二党に聞いた。 ◆共産党 大門実紀史議員に聞く「歳出のムダ一掃、大企業の減税見直し富裕税の創設検討を」 ◆社民党 阿部知子議員に聞く「所得税の累進度を強化し総合課税方式に社会保障の改革も」 ◆タックスヘイブンでの脱税横行  ケイマン諸島に日本の証券マネー15兆円!●図解 税制はこうして歪められた! 財界の言いなりの歴代政権財界は、これまで一貫して法人税の減税や証券優遇税制の維持など、大企業・富裕者に対する便宜を要求し続けてきた。その一方で、減税分の穴埋めに消費税率の上昇も唱えている。そんなエゴ丸出しの主張に応じてきたのが「政治献金」という名の財界からのワイロを手にしている与党を経験した自民・民主両党なのである。 ◆解説 減税しても内部留保を溜め込むだけ 財界の「法人税率は高すぎる」のウソ

  • 民主党政権で強まる情報統制 国民を丸裸にする一方で「国家機密」に隠れる官僚たち  田島泰彦×福島みずほ言論・表現の自由が脅かされている。民主党政権で法規制をたくらむ動きが活発化しているのだ。約10年前の自公政権時代には、「個人情報保護法案」「人権擁護法案」「青少年健全育成基本法案」「有事法制」などが批判を浴びた。あのときは「国民一人ひとりの人権救済」などを建て前にしていたが、今回は「我が国の利益を守り、国民の安全を確保する」など国家利益が正面に出ている。
  • 広渡清吾・日本学術会議前会長に聞く「原発依存のリスク評価を行なうのは、市民社会だ」  聞き手 村上朝子東日本大震災、福島第一原発事故後の昨年七月から九月末まで、人文・社会科学系の学者として初の日本学術会議会長を務めた広渡清吾氏。震災後の対応を通して見えてきた科学者の社会的責任について聞いた。
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  • 福島で中学生が「プールに入りたくない」! 「復興」で風化する原発事故  平舘 英明福島県内の公立の各小中学校では、今夏からプールの授業が再開され、「3・11」以前に回帰する動きが急速に強まっている。学校「復興」のかげで、放射能の不安に怯えながら福島で生きる子どもや保護者の声なき声をひろった。
  • 映画 『汚れた心』 同胞が憎み合う深い悲劇性が切々と  寺脇研
  • 新・買ってはいけない175 調味料の進化系「ぽん酢ジュレ」増粘多糖類に要注意だ  渡辺雄二
  • 入札裏工作、裏金処理、原発利権…… 水谷建設 元社長恐喝事件の黒い背景を追う  本間 誠也新党を旗揚げした小沢一郎元民主党代表の政治資金問題で耳目を集めた「水谷建設」が、再び難題を抱え込んでいる。背後には「闇社会」との根深い関係や「原発利権」も見え隠れしている。

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