養護施設でくり返される 子どもの虐待
親からの虐待、貧困などさまざまな理由で児童相談所に保護された子どもが、措置され入所した児童福祉施設の職員などからも虐待される「セカンド・アビューズ」。施設内虐待の禁止を明文化した改正児童福祉法施行から三年半が経過するが、いまだ二年連続で一〇〇人を超す子どもが被害に遭っている。保護者からの虐待が過去最高に達する(二〇一一年度)一方で、社会的養護下の子どもの人権侵害はタブーとされてきた。
■施設内虐待禁止法制化から3年半 年100人超の児童が被害に 小宮純一■こんなにある!施設内での虐待 2009-2011被措置児童等虐待の禁止が法制化された2009年4月から2011年10月までに確認された虐待を含む権利侵害の一覧。民間団体「施設内虐待を許さない会」の協力でまとめた。自治体発表と報道の両方がある。(作成/小宮純一)■「恩寵園事件」元原告たちの座談会 私たちみたいな子がいることをもっと社会に知ってほしい 司会・構成/小宮 純一(フリージャーナリスト)千葉県船橋市の児童養護施設「恩寵園」で、施設長らによる入所児童への虐待が発覚したのは16年前。11人の卒園生が起こした損害賠償請求訴訟は決着まで10年かかった。元原告4人と支援者がこれまでの思いを語った。 ■「声にならない叫びが聞こえた」 話題の韓国映画『トガニ』 原作者コン・ジヨンさんに聞く 小宮純一■「社会の中の養護」実現のために 子どもの発信を誰が受け止めるのか 平湯真人施設内での児童への虐待が禁止された後も、虐待数は減る兆しがない。子どもたちを守るにはどうしたらよいか。恩寵園事件の弁護団の一人が、この一〇年間の社会における子ども観の変化などをもとに提言する。◆「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」が日本の社会的養護の実態調査担当の猿田佐世弁護士に聞く
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