原発報道の正体  新聞、テレビ、ラジオは何を伝えようとしているのか

東京電力福島第一原発事故から約1年半が経過したが、被災地は荒廃し、被災者の生活はいまだ不安定のままだ。「原状復帰」など到底望めず、あらためて原発が抱えるリスクの大きさを痛感する。しかし、政府は「脱原発」を望む多数の国民の声を無視して大間原発の建設や原発再稼働を進め、これに同調するメディアも出てきはじめた。広告費年1000億円を誇った電力マネーが報道内容にどれだけ影響を及ぼしているのか。原発報道とメディアの今を取材した。

●再稼働のために誘導質問する!?『日経』『電気』記者●経団連に“支配”されるNHK●文化放送「原発反対」で暴走!?●「昔は警戒されていたのに」脱原発市民の支持を得る赤旗●リスクを低く見積もる科学部記者●24年前から脱原発『DAYS JAPAN』●変わらない原子力規制委員会の隠蔽体質●大飯原発抗議報道で家宅捜索された市民メディア●広告は反原発報道を封じ込めるため 原発PRの「戦犯」電通・博報堂 本間 龍競争しなくてもいい電力会社が広告枠を購入するのはなぜか。博報堂で営業を担当していた筆者は、多額の広告料をばらまくのは反原発報道を押さえ込むためだと指摘する。その最大の「戦犯」とも言える広告代理店の責任はいまだ問われていない。

  • 園子温監督インタビュー  聞き手 早乙女 愛日本のメディアの取材でいちばん多い質問は「なぜ原発の映画を撮ったのか?」それ、おかしいでしょ。目の前で原発が爆発したんだからさ、撮らないほうが変でしょ。もし、また原発事故が起きて4回も被曝することになったら赤塚不二夫の漫画の世界だよ。僕は「脱原発」という言葉もまだゆるいなと思う。そうじゃなくて原発は今すぐ出てけ! ってことです。独特の映像世界で熱烈なファンも多い映画監督・園子温さん。最新作『希望の国』のテーマは「原発」。東日本大震災から数年後、再び大地震と原発事故が起きるという設定だが、そこにも {タブー} は存在した。これまでの作品とは違い、思うように企業の協力を得られない製作資金。「原発」に向き合おうとしない同業者――。そこから見えてくる日本社会の「病い」について、話を聞いた。
  • 想田和弘監督インタビュー 聞き手 中村一成「よく観る、よく聴く」をないがしろにする社会が橋下的なものを跋扈させる台本を作らず、ナレーションや音楽に頼らないドキュメンタリー制作スタイル {観察映画} の実践を続ける想田和弘監督。話題の新作のこと、芸術を細らせる日本社会のことなどを、聞いた。
  • 保坂展人世田谷区長×上原公子元国立市長「5%の大改革」で自治体を変える 「五%がガラッと変わると、付随する部分が変わっていく」という持論に沿って、区政を司っている保坂展人世田谷区長。時に {八方美人} の批判を受けながらも一年半経ってその成果は?元国立市長の上原公子さんと語り合った。国会での厳しい質問を思い浮かべるので、世田谷ではやけに穏便だなと(笑)。少数与党ですから、どうしても全方位的な進め方が必要でした。
  • 10シーベルト地帯にも作業員が! 福島第一原発フリーランス初の撮影取材  写真・文 尾崎 孝史10月12日、福島第一原発が報道陣に公開された。これまで政府・東京電力は、フリーランスによるカメラの持ち込みを認めてこなかった。多くのフリージャーナリストの訴えが実り、初めてスチール取材が許された現場で見たのは収束作業の危うさだった。
  • 写真家・南條直子が向かい合った世界 日雇い労働者の街「山谷」を撮り続けた女性  織田忍
  • 自由と創造のためのレッスン 第7回 出来事に「期限」はない  廣瀬純ジャン + ジャック・ルソーは、しばしば、近代自然法論者の系譜に位置づけられる。しかし、アルチュセールによれば、ルソーはまったく異なる思想家だ。「出来事を到来させるために」ルソーを読み解く、第二回目。
  • 国策捜査 第31回 北陵クリニック事件で無期懲役が確定した 守大助さん 殺人事件そのものが壮大な虚構ではないか  青木 理

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