総選挙特集 経済と憲法を問う
格差と貧困によって世界秩序が失われそうな状況を前に、私たちは何をすべきか。そう考えると今回の総選挙での争点は、自ずと見えてくる。景気回復が国民の一番の関心事と言われるが、その本質は何か――よりよき未来を選択するために、経済と憲法について問うてみた。
●豊かな者をより豊かにする成長戦略はいらない格差と貧困の解消で経済の「発展」を竹信三恵子×神野直彦●対談 高杉良×佐高信 竹中平蔵、橋下徹、猪瀬直樹は相似形だ『竹中平蔵こそ証人喚問を』(七つ森書館、二〇一〇年)は話題を呼んだが、その主張は「冗談でも何でもない」(著者の佐高信本誌編集委員)。小社刊『罪深き新自由主義』で、市場原理主義の罪悪を説いた作家の高杉良氏と佐高氏が、いま政界を跋扈する“竹中組”に斬り込んだ。自分の企業の利益を超えて語る人がいなくなりましたね。佐高信(今の経済人は)私心ありきというか、自分の野心ありき。高杉良●いまや最大の危機を迎えた戦後の平和主義最大の選挙争点は「憲法」だ森田 実憲法を敵視する安倍氏の自民、「憲法破棄」を主張する石原氏の「維新」が、国会で手を組みかねない。それを前にした私たちの選択とは何か。●戦後憲法が決定的な危機に立憲主義の抹殺を狙う「壊憲勢力」水島 朝穂いまや戦後の憲法が、決定的な危機を迎えている。その危機とは、憲法が権力を拘束するという立憲主義を破壊し、政府が勝手気ままに権力を行使できるようにするため、最高法規を一般法並みの扱いにおとしめようとしている点にある。●“影の内閣”自民党からのこわーいメッセージ!?「日本初の本格的なシャドウ・キャビネット(影の内閣)。すぐにでも今の内閣に変わって政権を担当できる体制を整えています」と自民党が謳うシャドウ・キャビネット。この人選は「こういう政治をしますよ」という自民党からのメッセージだ。南京大虐殺や「慰安婦」の強制連行はなかったとする歴史認識を持ち、靖国神社に公式参拝して集団的自衛権を行使したいようなタカ派議員が首を揃える。この“内閣”に、現行憲法の理念を見つけ出すのは難しい。
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