廣瀬純責任編集 絶望の潜勢力を回復せよ
3・11を経験しながら、原発を再稼働し、安倍政権を誕生させたこの国。希望はどこにあるのか? 否!欠けているのは絶望ではないのか!? 本誌連載「自由と創造のためのレッスン」の筆者・廣瀬純が責任編集で伝える。絶望の力を作り出せ!
●戴冠せる絶望 唾棄すべきすべての希望と決別するために 廣瀬 純●廣瀬純が絶望について書けと言う。 青山 真治●未来のあと――我々にもはや「未来」はない。 フランコ・ベラルディ(ビフォ) 訳・長嶺愼太朗イタリアで自由ラジオ「ラディオ・アリーチェ」を開局するなど一九七〇年代、アウトノミア(自律)運動の中心で活動をしていたフランコ・ベラルディ、通称ビフォ。今もメディア・アクティヴィストとして活動の領域を広げているビフォに、特別寄稿して貰った。●絶望が個に返されている 対談 緒方正人×廣瀬純今回の特集にあたって、「ぜひ、お会いしたかった」のが緒方正人さん。水俣病闘争の渦中で運動から離脱。絶望のなか、生を根源から問い直した、その意味を、二人で熱っぽく語った。
- 原発事故から2年。今、福島はどうなっているのか「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」代表 佐藤幸子さんに聞く こわされた「日常」を取り戻したい原発事故直後、子どもたちを守ろうと立ち上がった福島の親たち。その中心人物の一人である佐藤幸子さんに、事故から二年を迎える今の福島をめぐる状況について語ってもらった。◆全国からの募金と医師の熱意に支えられる「ふくしま共同診療所」
- 北朝鮮、3度目核実験の衝撃 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が2月12日、3度目となる地下核実験を行なった。国際世論に逆行する動きをどう考えればよいのか。【反核】核兵器の非合法化を日本政府は拒否した森瀧春子【国連】新たな決議は問題をむしろ複雑にする中原 昇【韓国】つまずく朴新大統領による緊張緩和北方農夫人【朝鮮】金正恩体制への国内評価は下降の一途石丸次郎【展望】朝鮮戦争の終結が核武装とどめるカギ成田俊一
- 浮躁中国「中日関係に理性を取り戻せ」署名を呼びかけた理由崔衛平さんに聞く 麻生 晴一郎尖閣問題に揺れた昨年、日中双方の知識人から、冷静な解決を求める呼びかけがなされた。中国側の呼びかけ人の一人が、今回紹介する崔衛平さん。日中関係について日本人が取りこぼしているものがないかどうか、崔さんの主張は貴重だ。
- 福島の森と海は今 第1回奪われた「山の幸」 平田 剛士東京電力福島第一原発事故から間もなく二周年。膨大な放射能が山・里・海を汚染し、住民たちは、親しかった自然との関係を断ち切ったままだ。日本列島の豊かな生物多様性を、たった一度の原発事故が台なしにした。動植物の現状を、五回にわたってリポートする。
- 僧侶としての生き方は横浜・寿町で教えられた徳恩寺住職 鹿野融完 山岡淳一郎日本三大寄せ場の一つと言われる、横浜・寿町。この町に労働者が溢れていた一九七〇年代半ば、亡くなっていく人のために「お地蔵さん」を建てた親子の托鉢僧がいる。息子はいま、寿町での経験を糧に震災支援へとひた走る。先代から息子への遺言は「お前は人のために走れ!」
- エスカレートする健康食品の宣伝文句早く規準を作らないと被害が起きる 垣田達哉どんどん巧妙になる健康食品のCMや広告。このまま野放しにしておいてよいのでしょうか。
- 「私には闘う理由があった」銃を手にしたシリアの女たち 写真・文 桜木 武史政府軍/反政府軍をめぐる立場の相違で、肉親にさえも殺されかねない状況が、シリアではつづいている。そんな泥沼化した内戦のなか、武器を持って闘うことを選んだ女性たちがいる。