「3・11」から2年(3) 東北復興の壁
●「津波太郎」から甦ってきた岩手県・田老の新たな試練野中 大樹19兆円の復興予算は25兆円に増額され、「人々の命を守るため」に巨大防潮堤の建設が進められる。一方で、震災であらわになった歪みは放置され、そこに暮らす人々の苦悩は深まるばかり。震災から2年、復興のありかたを問う。「どれだけ高い防潮堤であっても津波はのりこえてくる」「防潮堤? そりゃないよりはあったほうがいいのだろうけれど、人工的につくったものは自然には敵わないよ」●第6次産業化が復興の要女性の視点が漁業の活力に岩手県漁業協同組合女性部連絡協議会会長盛合敏子さんに聞く●格闘する思想〈東北〉を、フロンティアの地として山内明美ナビゲーター・本橋哲也宮城県・南三陸町で代々つづく田んぼの一区画をもらい「こども百姓」をしたせいか、一九九三年の大凶作は骨身に沁みた。近代のコメの歴史に関する論文を書く研究者になってからも、〈東北〉の、百姓の、女たちの苛酷な現実に、時として言葉を失う(山内の考えてきた〈東北〉は、単に東北地方を意味しない)。大震災で、故郷は壊滅状態になった。が、いまもやはり〈東北〉を掘りつづける。あたり前に生きようとする力を仲立ちとして、未来を描くために。深刻な自然災害や政治の失政に翻弄され、剥き出しのまま晒された〈生〉は、どうやって生きる姿を取り戻すのだろう。―『こども東北学』(山内明美著、イースト・プレス)
- イラク開戦一〇年 イラク戦争が始まったのは、今から一〇年前の二〇〇三年三月二〇日だった。「大量破壊兵器」というウソの口実を使い、数十万人の国民を殺害した米英も、この戦争を真っ先に支持した日本政府も、責任について今も頬被りしている。だがこうした問題の検証なくして、二一世紀の平和を展望するのは困難だ。二週にわたり、この一〇年を問う。米英の戦争犯罪と日本など同盟諸国の共犯を問うリチャード・フォーク Richard Falk・プリンストン大学名誉教授石油利権めぐり混迷するイラク「外資のオイル支配を許すな!」布施 祐仁
- 福島の森と海は今 第4回里が山に飲み込まれる 平田 剛士放射能汚染による「人が暮らせないエリア」の出現は、人と野生動物の関係を変化させずにおかない。これまで人が森の中に押しとどめてきたイノシシなどが勢力を増し、集落が山野に戻る「野生化」が一気に顕在化するおそれがある。
- 2年の歳月を経てもなお、食品の放射能汚染、まだ油断ならず 垣田達哉放射能との闘いも2年が経ちました。食品汚染はまだまだまだまだ続くのです。
- 新・買ってはいけない 「スクラロース」の危険性、そろそろ真剣に考えませんか渡辺雄二
- 原発ゼロへ大行動 3・9明治公園 3・10国会周辺抗議行動 3・11東電本店前アクション NO NUKES 2013 福島第一原発観光地化計画 東日本大震災から2年となる3月9日?11日は全国でさまざまなイベントが行なわれた。東京では9日、約1万5000人(主催者発表)が参加した明治公園での集会とデモ、10日には日比谷公園野外音楽堂での集会とデモ(主催者発表延べ約4万人)、国会周辺での抗議行動、11日は日比谷公園での集会や東京電力前での抗議行動などが実施された。原発再稼働をすすめる安倍政権は「『大丈夫』なんて絶対にありえない」という福島からの避難者の声を聞いているのか。
- 「右からの反原発」について考える 廣瀬 純福島第一原発の事故は、左右の立場を超えた衝撃をもたらし、それぞれに課題をつきつけた。右にとっての課題はまず、ネイション(民族・国民)とステイト(国家)の峻別に基づく、ナショナリズムの再検討ではないか。
- 放射能は安全・安心!?「神話」の復活か福島県の教育現場 平舘 英明安倍政権は原発ゼロ政策を見直し、原発の再稼働や新増設に踏み切ろうとしている。そんななか、学校現場ではどんな放射線教育が行なわれているのか。放射能汚染に苦しむ福島県の教育現場を追った。