アベノミクスの化けの皮
アベノミクスの化けの皮が剥がれつつある。一定の株高は続いているが、円相場は「異次元の金融緩和」(4月4日)以前の水準に戻りつつある。一方で実体経済は上向かず、長期金利が上昇。シナリオに狂いが生じてきた。安倍内閣高支持率のまま参議院選挙が始まったが、消費増税などが決まれば給与所得は増えず、貯蓄ゼロ家庭が増えている中、家計に大きな負担がのしかかってくる。
●円安と消費増税などが家計を直撃逆に飛び始めた「三本の矢」片岡 伸行●投資よりも借金の返済を暮らしはまだデフレ対策で荻原 博子アベノミクスの肝心要である成長戦略がぱっとしない。成長分野になりうる再生可能エネルギーに、本腰を入れて取り組む姿勢も見られない――。将来に不透明感がただようなか、私たちはどのように暮らしを立て直したらいいのか。●老朽化対策と両立する財源はどこに?「国土強靱化」を進める無謀まさの あつこアベノミクスで浮かれていても、二〇六〇年には日本の人口が現在より三二%減って八六七四万人となるという予測を、われわれは真摯に受け止める必要がある。未来世代のために、今やらなければならないことは何か?●徹底反論二階俊博・自民党国土強靱化総合調査会会長に聞くバラマキ批判は程度が低い災害被害を少しでも減らすのが人としての道だ
- その嘘が、だれかを殺す「物価下落だから生活保護基準引き下げ」のカラクリ みわ よしこ安倍政権発足後、生活保護制度に関する大きな見直しが続いている。基準の引き下げ、生活保護法の改正案と続く、「最後のセーフティネット」見直しの問題は、参院選の隠された争点だ。
- 子宮頸がんワクチン「勧奨中止」の背景 伊豆 百合子この春「定期接種」となった子宮頸がんワクチンで、重篤な副反応や後遺症が多数報告され、社会問題化している。被害者らの声に押され、厚労省は「勧奨中止」にしたが、現場はとまどうばかり。その背景は――
- 週刊金曜日20周年企画編集委員による拡大版「誌面批評」 『週刊金曜日』の「いま」と「これから」を考える「伝わらない」人に向けて「伝える」ということ司会:平井 康嗣(本誌編集長)石坂 啓 漫画家/本多 勝一 ジャーナリスト/宇都宮 健児 弁護士/佐高 信 評論家/雨宮 処凛 作家小誌が創刊して二〇年がたった。このかん紙媒体の雑誌は休刊が相つぎ、小誌も業界の例に漏れず部数が減りつづけている。いま『週刊金曜日』には何が求められているのか。過日、都合のつく編集委員が集まり拡大版「誌面批評」を実施した。
- 元経産官僚 古賀茂明氏インタビュー「原発輸出に熱心な安倍首相は“死の商人”」 聞き手・横田 一(フリージャーナリスト)東京電力福島第一原発事故が収束するメドすら立たない状況で、原発輸出を進める安倍政権。メディアの批判は少なく、原発に関する報道すら減ってきている。一体どういうことなのか。「脱原発」を貫く元経産官僚・古賀茂明氏に聞いた。
- 放射線業務従事者の資格を取り福島第一原発一号機原子炉建屋を調査事故原因未解明で再稼働は許されない 川内 博史
- 寿司を手袋でにぎる常識 写真・文 木村 聡「HACCP」と食品ユニフォーム 寿司職人の養成などをしている「東京すしアカデミー」(東京都新宿区)。学校の直営店では食べ放題でにぎり寿司を提供している。切り傷があったり。手が荒れたときなどに、職人は安全性のため手袋を着用。多くの寿司をにぎる現場では手の保護になるし、シャリがくっつきにくいというメリットもある。 いま寿司は世界中で食べられている。海外では日本人以外の寿司職人も珍しくない。そうした現場では素手ではなく“手袋にぎり”が多数派である場合も。寿司のグローバル化で、HACCP(危険分析重要管理点)方式など、国際基準の衛生管理にも業界は対応しなければならない。食の安全をめぐって身を包む食品ユニフォームも変化する。逆輸入される食の形態に、新たな寿司の常識が生まれるかもしれない。
- 社会主義から人間主義へ南米が目指す新しい社会 伊藤 千尋「反米左翼」の勢力が強い南米。独裁者が国を牛耳っているだけではないかという批判もあるが、そのイメージも米国発だ。各国で暮らす庶民の暮らしぶりから、上からの強制ではなく市民による自発的社会づくりがすすむ。南米の現在をリポートする。