ブラック国家ニッポン

消費税をあげながら復興法人税は廃止――安倍政権の企業優遇策はとまらない。これから国家戦略特区(アベノミクス特区)や、法人実効税率の引き下げの検討に入る。企業を最優遇した小泉・竹中流「新自由主義」は、安倍政権の「世界一企業が活動しやすい国」構想に引きつがれた。ブラック国家化する動きを検証すべく特集を組んだ。

●竹中平蔵とアベノミクス鼎談 佐々木 実×高橋 伸彰×佐高 信雇用、医療、金融、教育……本来の経済学は、これらを市場には任せない●「高い所得税」という政府・財務省のウソ金持ち優遇の「ブラック税制」である武田 知弘●国民には消費増税で負担増大企業には減税の大盤振る舞いでいいのか隠れた補助金、租税特別措置を公開せよ峰崎 直樹消費税を3%引き上げるものの、消費税率に換算して2%も、主として大企業側に還元するという策を打ち出そうとしている安倍首相。法人税減税もその一つだ。国民の反発をかわすためか、甘利経済再生担当相がある案を提起したが……。●労働規制緩和で労働者を解雇し放題、働かせ放題へ弁護士 棗一郎さんに聞く安倍政権下で雇用分野の規制緩和が矢継ぎ早に提案されている。それぞれ、何をめざし、どのような問題点があるのか。日本労働弁護団常任幹事で雇用問題に詳しい弁護士の棗一郎さんに聞いた。◆派遣労働が恒常化、永続化される関口 達矢●国家戦略特区は「憲法番外地」宇都宮 健児◆解雇特区の狙いは、日本全体の「ブラック企業」化です河添 誠「国家戦略特区」の名のもと、大規模な生活破壊が進みつつある。狙いは何か。弁護士の宇都宮健児氏に特区の全体像を、首都圏青年ユニオンの河添誠氏に、特に破壊が著しい雇用の現場を語ってもらった。

  • 汚染地を汚染されていない土地として東京ガスから取得!?築地市場移転問題で発覚した東京都のウソ 永尾 俊彦東京・築地市場の移転先とされている江東区豊洲の土地が、実際とは違い、汚染されていない土地として都が東京ガスから取得していたことがわかった。その価格二一〇〇億円相当。そこで都民らは公金返還を求めて提訴している。
  • 新たな「戦前」が始まろうとしている安倍首相が狙う「戦争ができる国家」に向けた法案 足立 昌勝いま、軍事・治安両部門で、「秘密保護法」以外にも危険な法案がいくつも準備されている。そうした法案をひとまとめにすると、「集団的自衛権行使による外国での戦争」という狙いが見えてくる。
  • 新わたしと憲法シリーズ内海愛子虐げられ、差別された側に立つ反権力の行動する研究者 憲法成立過程で、「国民」から旧植民地出身者を排除した歴史の暗部を忘れてはならない
  • 国鉄「分割・民営化」のツケが回ってきた「存亡の危機」に立たされたJR北海道 本誌取材班連日のように、JR北海道の重大事故の続発と安全対策の事実上の崩壊がメディアで報道されている。だが、そこには重要な視点が欠けている。今回のような事態は一九八七年の国鉄「分割・民営化」の時点ですでに予測されており、そのツケが回ってきたにすぎないという事実だ。◆内部文書が暴露した「JRに雇用責任なし」のウソ
  • 対談 福島被曝とカネミ油症――「晩発性」健康被害を考える 武藤類子×宿輪敏子 司会・保田行雄構成・明石 昇二郎(ルポライター)福島原発事故による被曝・被災者と、四五年前に起き、今も深刻な健康被害に悩むカネミ油症患者には共通点がある。一定の歳月が経ってから起きる「晩発性被害」の問題だ。両弁護団に関わる保田行雄弁護士の司会で、「福島原発告訴団」の武藤類子団長と「カネミ油症五島市の会」の宿輪敏子事務局長が胸の内を明かしながら、晩発性被害克服のための課題を考えた。心の中では皆、被曝による健康被害への不安を抱えている――武藤科学者は被害を矮小化し、無きものにしてしまう――宿輪健康被害は認めないという方向で動いているとしか思えない――武藤カネミ油症でも(福島と)同じようなことが起きた――宿輪
  • 佐藤優の飛耳長目89理不尽な押し付けに抗う「しまくとぅば」の力 
  • 坂庭国晴さん(住まい連代表幹事)に聞く「脱法シェアハウス」問題一律規制ではなく、細かい法整備と運用を 松元 千枝

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