週刊金曜日 創刊20周年記念特集 世界のジャーナリズム最前線

●【アメリカ】『インサイド・クライメイト・ニュース』『プロパブリカ』ピューリッツァー賞を受賞したニュースサイト従来型のジャーナリズムを新しい形で提供マクレーン 末子市民が日常的にメディアに参加する土壌があり、独立系・オルタナティブメディアも盛んな米国で、いま注目を集めているのが二つのネットメディアだ。独自の粘り強い調査報道で真実を伝えピューリッツァー賞も受賞している。取材方法は地道に。そして提供方法は新しく。ネットジャーナリズムが米国メディアに果たす役割とは。◆【メキシコ】「ラジオ・インスルヘンテ」「ラジオ・フォガータ」先住民の現実を伝えるラジオ局工藤 律子●【アメリカ】『ボイス・オブ・サンディエゴ』『プロパブリカ』米国で見たNPOメディアの可能性大治 朋子米国には、職を失った記者や既存メディアに失望した記者らでNPOメディアを立ち上げる動きがある。『毎日新聞』ワシントン特派員として、これらの動きを追った大治朋子さんが、NPOメディアの挑戦をリポートする。●【韓国】復興する硬派なジャーナリズム渡部 睦美『時事IN』韓国の『週刊金曜日』!?「ニュース打破」大手を離れたプロが集まりスクープ連発「メディアクト」「声なき市民」が主役になる●【ドイツ】『タッツ』「オープンチャンネル」ナチス時代を繰り返さぬための市民の実践矢嶋 宰メディアが国家のプロパガンダに成り下がった歴史を持つドイツ。ドイツ市民のメディアをめぐる試みは、同じ歴史を繰り返さないための実践であったと言っても過言ではない。市民の取り組みを、フォトジャーナリスト矢嶋宰さんがリポート。◆【イギリス】「フロントライン・クラブ」ジャーナリストたちの社交場馬場 千奈津●【フランス】『メディアパルト』『リュ89』前大統領を震撼させたインターネット新聞飛田 正夫不正献金疑惑を暴き、時の大統領を震撼させたのは従来の大手紙ではなくインターネット新聞だった。「真実の力」を信じるジャーナリストたちが新しいメディアの形を模索している。●【スペイン】「アゴラ・ソル・ラジオ」『マドリード・15m』「トマ・ラ・テレ」「15M」が生み出した独自メディア工藤 律子「1%の富裕層」に声を上げた格差反対の運動の出発点はスペインの15M(キンセ・エメ)。発祥地にふさわしくスペインでは、市民の手による新聞、ラジオ局、インターネット・テレビ局が人気を集めている。●【中国・香港】『明報』『開放』『社会工作とHIV』強権と向き合うジャーナリズム麻生 晴一郎ジャーナリズムや言論活動に対する弾圧ぶりが、世界に名高い中国。そんな中国でがんばるメディアを紹介する。一方、一国二制度で自治が保障されている香港では、中国政府批判のメディアが数多く存在する。◆雑誌自体が違法の疑いあると捜査聞き手・麻生 晴一郎●新聞・雑誌を読まない、信じない学生たち10年後は新聞と雑誌が市場から退場!?石丸 次郎10年後には紙媒体がなくなるかもしれない。大げさではなく、現実的な予想だ。これからのメディア、伝える側に求められることとは。●インターネット放送局「アワープラネットTV」代表・白石草さんに聞くビデオで『アンネの日記』を書いてゆく日本における市民派独立系メディアの多くは内容、経営ともに苦戦している。数少ない“成功例”のひとつとして突っ走るのがNPO法人「OurPlanet-TV(アワープラネットTV)」だ。代表の白石草さんに、ジャーナリズムのゆくえについて語ってもらった。

  • 就活で五人に一人が“死にたい” 清水 康之「就職失敗」を苦に自殺する若者が急激に増えている。何がそこまで彼らを追い詰めるのか。NPO法人自殺対策支援センター・ライフリンクの調査で浮かび上がった背景と、対策を探る。
  • 現在を生き抜くために、読む!ハンナ・アーレント絶望に覆われた闇夜で到達した「哲学」 八柏 龍紀ハンナ・アーレント。第二次世界大戦中にナチス強制収容所から脱出、アメリカへ亡命したドイツ系ユダヤ人で、自身のその苛烈で酷薄な体験から思考を深めた哲学者だ。「いま、アーレントを読む意味」を考えてみた。
  • 満腹の情景主食のみのり 写真・文 木村 聡天空を舞うコシヒカリ 石打丸山スキー場(新潟県南魚沼市)では、秋になると稲がスキーリフトに乗って空を舞う。収穫した米を稲穂のまま干す「はさ掛け」スタイルだが、スキー施設で行なう意外性と、動かしながら乾燥させる新手法が話題になっている。 最近の米作りのほとんどは、コンバインという機械で稲刈りと同時に脱穀し、籾の状態にして即乾燥。しかしはさ掛けにしてじっくり乾燥させると、稲木部分の養分が米粒に降りてきて、後からよく熟成が進むとされる。リフトに乗せての天日乾燥はいっそう効率的で、良質な米に仕上がるのだそうだ。 地元農家が育てた極上の魚沼産コシヒカリを、毎年リフト管理会社が刈り取りから始め、乾燥、脱穀、販売まで行なっている。
  • 天性の直感力か廃炉ビジネスへの誘導か安倍晋三首相が反発する小泉純一郎元首相原発ゼロ発言の信憑性 本誌取材班小泉純一郎元首相が政府・自民党に求めている「原発ゼロ」発言が波紋を広げている。安倍晋三首相は10月21日、衆院予算委員会で小泉発言に初めて言及し、政策転換に応じない考えを示した。だが、これで「収束」とはいかないようだ。
  • イオンで中国産米偽装事件悪者は納入業者だけか? 垣田 達哉小売り最大手のイオンが中国産米で作ったおにぎりなどを国産米として販売していました。ひたすら被害者づらするイオン……それでいいのか?
  • コントロール不能の汚染水漏れ“六つの危機”“何が飛び出すかわからないお化け屋敷”状態の福島第一原発 まさの あつこ台風のたびに放射能汚染水漏れに拍車がかかる福島第一原発。田中俊一原子力規制委員会委員長も“何が飛び出すかわからないお化け屋敷状態”と表現するほど。“お化け”の正体は何か。東電会見と規制委の情報をもとに潜むリスクを分析する。
  • アフリカ メディア戦争アフリカ・メディアはジャーナリズムかプロパガンダか? 写真・文 和賀 えり子人口が10億人を超え膨張を続けるアフリカに、世界は熱い視線を注ぐ。しかし政治は混沌とし紛争は絶えない。乱立するメディアの動きを追い、アフリカの姿を現地から報告していく。

購入

  • amazon
  • Fujisan
  • 楽天ブックス
  • セブンネットショッピング
  • 定期購読

ページトップに戻る