ぼくらは差別が見えていない
浦和レッズサポーターによる差別事件は、氷山の一角か。在日韓国・朝鮮人、被差別部落、先住民......。世界中で問題視されている日本の差別的実態の背景に何があるのか。私たちには何が求められているのか。
- 木村元彦氏に聞くサッカー界の民族差別
浦和レッズの無観客試合が問うもの
1枚の横断幕がJリーグを揺るがし、無観客試合開催にまで至った。だが、問題の本質と背景は隠されたままだ。サッカーや民族問題に詳しいジャーナリストの木村元彦氏に聞いた。
- 原由利子さん(反差別国際運動事務局長)インタビュー
放置してきた日本の人種差別と今こそ向き合う時
見えにくく、とらえにくいが、この国にはたしかに人種差別がある。その歴史と背景について、反差別国際運動(IMADR)事務局長の原由利子さんに、本誌編集長が聞いた。
- 「在特会」を切り捨てる右派
安倍首相も在特会も差別の論理は同じ
ヘイトスピーチを繰り返す在特会などの行動する保守系の団体は、広い意味の右派の中で、どのように位置づけられるのか。のりこえねっと共同代表・辛淑玉氏が、本誌主催の歴史講座「差別と歴史修正主義」を講じた能川元一氏に聞いた。
- 過去から未来へと続く境界線上の街
「闇だまり」から見える大久保のカオス
韓流文化の「聖地」から一転、ヘイトスピーチの喧噪に覆われた東京・新大久保。だが、この街にはもっと多様な顔と、波乱に満ちた歴史がある。起伏に富んだ「大久保」の物語をお届けする。
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植民地正当化の民族差別裏づける研究を封印
アイヌ遺骨問題の真相究明へ道を閉ざす旧帝大平野次郎国会がアイヌ民族を先住民族とする決議を採択したのが2008年。遅きに失したが、その一方で、アイヌの歴史を解明するという名目で、国は遺族への返還が叶わない遺骨は集約し、研究に役立てるという。国連宣言に違反する可能性のあるこの行為は、日本の植民地政策の歴史とも深く関係していることが見えてきた。
- 部落問題をタブーにしているのは誰なのか
映画『にくのひと』は、なぜ上映されなかったのか
7年前、一人の大学生が屠畜労働現場の撮影に奮闘した。完成した映画は部落問題にたずさわる多くの識者にも高く評価されたが、公開直前に運動団体の抗議によってお蔵入りとなった。若い映画監督の視点を遮るものは何なのか。ノンフィクションライターの角岡伸彦氏がその背景に迫った。
- 気に入らない職員は「監視カメラ付き追い出し部屋」に!
食い物にされる社会福祉法人と行政の責任たらい回し社会的共通資本ということで非営利・非課税で運営されているのが社会福祉法人。しかし近年、医療・福祉とは畑違いの民間業者らが経営をのっとる事例が出てきている。そのひとつ、神奈川県大磯町で起きている社会福祉法人大磯恒道会の事例をリポートする。
- 「戦後」の墓碑銘対米宣戦布告、アベノクラシーのアンビバレンス
- 国民不在のスピード審議
7党共同翼賛体制で改憲手続法改定強行へ安倍政権は解釈改憲に向けての党内の意見を集約しつつ、一方で解釈改憲という乱暴な政治手法の限界を見据え、明文改憲に向けて動き出した。衆議院憲法審査会での質疑では、自民・船田議員の答弁が正当な根拠を欠いていることが暴かれた。
- 浮躁中国
前衛と社会性を模索する中国現代アートかつて鋭い政治批判で一躍名をはせた中国の現代アート。今や世界中からの投機対象となり、本来の批判精神は失いつつある。そんな中、重慶で活動する前衛アート集団に刮目したい。
- 満腹の情景桜の宴に酔いしれる
避難指示解除準備花見伝統の祭り「相馬野馬追」の神事が夏に行なわれる相馬小高神社(福島県南相馬市)。春は桜の名所として近隣に知られる場所だ。「ここは南相馬だけじゃなく、前から浪江、双葉、大熊などの浜通り一帯からお参りにいらっしゃってました」(社務所) 数年前は見ることさえかなわなかった桜に、今年は多くの人が会いにきている。数は少ないが、境内で飲食する姿も復活。そういえば、震災直後に一斉に自粛ムードが漂った東京の花見も、「景気回復」と叫んで3年前を忘れたように盛んだった。 しかし、あれから何が変わったのだろう。小高神社の周囲は日中一時帰宅はできても、家に夜通し泊まれない区域。原発災害の影響は3年経っても変わらず、花見も暗くなる前に終わらなければならなかった。
- 最期を看取る・看取られる
支えてくれるチームがいれば家族だってがんばれる家族への遠慮から、「家で過ごしたい」と言えない人も多いようです。でも、きちんと支えてくれるチームがいれば、家族にとって迷惑にはならないと思いますよ。
- やっぱりあるよね、便乗値上げ
官と民の認識はずれずれ増税後、この値段はおかしい――と思う例が、身近にはたくさん。でも官の論理では便乗値上げじゃないらしいのです。