憲法特集2017
"護憲派はギマン"
なのか
自衛隊が存在する現在、憲法で謳う「戦力の不保持」は実現していない。ほかにも思想・良心の自由、両性の平等、生存権、労働基本権、司法の独立など、実現しているとは言いがたい憲法規定はたくさんある。最大の矛盾は、憲法尊重擁護義務のある国会議員や閣僚が"壊憲"に走っていることだ。では、この現状にあわせて憲法規定を変えるのか、それとも実現を目指し努力するのか。私たちはいまその岐路に立っている。日本国憲法施行70年。節目ではあるが終点ではない。むしろまだ道半ばである。
- 憲法9条と自衛隊
「日本国憲法」施行後、ほどなくして自衛隊の前身の警察予備隊が創設されたことにより、戦争放棄・戦力不保持を宣言した憲法9条と自衛隊の関係はつねに議論の的となってきました。2014年の集団的自衛権行使を認める閣議決定、15年の「戦争法」(安保関連法)制定で、辛うじて保たれてきた9条は死文化したとも言われています。一方で、自衛隊の存在を認めながら、海外派兵や集団的自衛権の行使を批判することに対して「欺瞞」との声も上がっています。いま、私たちは、憲法9条と自衛隊の関係をどう考えればいいのか。まず編集委員の見解をうかがいました。
- 鼎談 雨宮処凛×宇都宮健児×中島岳志
矛盾を抱えた中で「憲法」の理想を実現するためには憲法9条と矛盾する日米安保体制及び自衛隊の存在。寄稿からさらに議論を深めるべく、雨宮処凛、宇都宮健児、中島岳志3編集委員に憲法と安全保障の問題について語りあっていただいた。
- 憲法を撮る
第9条〔戦争の放棄、戦力及び交戦権の否認〕
第13条〔個人の尊重・幸福追求権・公共の福祉〕
第24条〔家族生活における個人の尊厳と両性の平等〕
第97条〔基本的人権の本質〕 - 改憲派へりくつ撃退マニュアル
日本国憲法を本当に「改正」するための議論ならともかく、自分の主張と相容れないとか思想的に気に入らないから「ここがダメ」と憲法にケチをつける改憲派のへりくつが拡散されている。誤解や事実と異なることを基にした攻撃に対し、本誌は何度でも反論する。
- 国家が特定の「柄」や「色」を押しつけることを禁じるのが近代憲法
- 憲法はGHQに押しつけられたという松本烝治国務大臣の証言はウソ
- 日本分断に歯止めをかけたのに「押しつけ」?
- 個人のために国家がある、その逆ではない
- 憲法は国民の権利ばかり書いてあるのが当たり前
- 市民による各種の抗議行動も弾圧されるなど戦前の人権抑圧時代に逆戻り
- 各地で展開される「草の根啓発活動」
憲法審査会と改憲運動の動向 - 『週刊金曜日』男子会!? 菊地智史×大久保秀俊
「忠」に「孝」に奉公の先は天皇 「教育勅語」解体新書森友学園事件で一躍話題になった「教育勅語」。教材として使用を認める閣議決定までしてゴリ押しするその真意は? 今回は本誌初の男子会!?――「明日の自由を守る若手弁護士の会」の弁護士2人に「教育勅語」を解説していただきました。
- おかしな小学校の「道徳教科書」
今年から採択される小学校用の道徳教科書の検定が終了した。「パン屋」を「和菓子屋」に変えるおかしな検定が話題になったが、他にも首を傾げるような教科書記述や検定内容が目立つ。
- 宋日昊大使単独インタビュー「平壌宣言は大切」
- 文化放送「くにまるジャパン極」での語りとデマの拡散
「朝鮮半島有事」をめぐる発言の真意を佐藤優氏に聞く - 河川法120年の敗北(上)
北海道 空知川の堤防が破れた理由は - 内閣府HP削除をめぐる『産経』報道の怪
- 先見えぬ麻生太郎氏の「大宏池会構想」
- フランス大統領選 ル・ペンとは何者か
- 「自由」や社会福祉強調のワケ
- ル・ペン候補は米国と対決する
- レオパレス 集団訴訟が始まる