あなたも
正社員になれる!?
非正規労働者は
「無期転換権」の行使を
自民・公明政権下で広がった「格差・貧困」。その象徴とも言えるのが全労働者の約4割、2000万人超に膨らんだ非正規労働者たちだ。正社員(注)と同じ仕事をしながらも賃金は低く抑えられ、待遇も悪く、会社の都合で一方的に切り捨てられるから、いつ貧困に陥るか不安と隣り合わせ。将来の人生設計もままならず、結婚したくてもできない人も多い。
その非正規労働者に、条件付きながら正社員への道を開く「無期雇用転換ルール」が4月以降、企業に義務づけられる。2013年4月に改正・施行された労働契約法によって、有期雇用の非正規労働者が契約を更新しながら5年以上働いた場合、その労働者が希望すれば無期雇用の労働者に転換できるというルールが定められた。施行から5年。「非正規雇用の2018年問題」と呼ばれた「無期雇用転換権」の行使が本格化する。
しかし、そのルール自体、対象となる非正規労働者にも企業側にもまだ広く知られていない。すでにこのルールを回避しようとする不当・不法な雇い止め解雇の事例が教育現場などさまざまな業界で相次ぐ。非正規で働く人はこの「無期雇用転換権」をどう利用したらいいのか、また会社側に悪用されて雇い止めをされないためにはどんな対策が必要なのか。
(注)「正社員」という言葉には法的裏付けがないが、ここでは非正規の有期契約労働者に対する契約期間の定めがない「無期雇用労働者」との意味で使用。
- ブラック企業被害対策弁護団代表 佐々木亮弁護士に聞く
雇い止めをさせないようルールを知ろうそもそも「無期雇用転換権」とは何か、その権利を行使する前に雇い止めをされないためには……。ブラック企業被害対策弁護団の代表である佐々木亮弁護士に聞いた。
- 権利行使できるのは毎年400万人ほど
横行する「無期転換逃れ」無期契約への転換権を行使できる非正規労働者は約1500万人いるという。一方で、この無期転換を逃れようとする動きも目立つ。
- メルスモン製薬の雇い止めは脱法行為なのか!?
無期転換前の解雇「許せない」「復職を求めて闘っていきます」。4月になれば有期雇用から無期雇用(正社員)になる権利を手にするはずだった社員を突然雇い止めにするケースが後を絶たない。勤続14年のベテラン契約社員の女性が、メルスモン製薬(株)を相手取り労働審判を申し立てた。
- 「成績不良」盾に雇い止め
私立大付属中学高校が脱法行為!?少子化で生徒減少にともなう「教師余り」の調整弁、あるいは人件費抑制の手段として、教職員に占める非正規雇用の割合は近年増加している。そうした中、学校による雇い止めの撤回を求めて非常勤講師が立ち上がった。
- 学生の不利益よりも大学の利益!?
大学でも進む悪質な雇い止め全国の大学でも「雇い止め」が問題になっている。東京大、名古屋大、金沢大、首都大東京、長崎大など、「無期雇用ルール」への転換を実現する大学もある一方、その回避に必死の大学もまだ多い。団体交渉相手の人事労務担当は文部科学省の天下り、背後には潜脱(法の規制逃れ)を説く弁護士が控え──という笑えない現実と、そんな中でも勝ち取った共闘の成果を紹介する。
沖縄にいま核はあるか
- 春名幹男さんインタビュー
核兵器の「貯蔵」と「通過」を可能とする日米密約 - 米「核戦略の見直し」で沖縄の危険度は高まった
- 「有事態勢」を維持する嘉手納や辺野古に核施設
- 東郷和彦さんインタビュー
有事への基地使用は日本の「一方的声明」で担保 - 「腹腔鏡手術」を「開腹手術」と偽り不正請求した草加市立病院
認定医資格のない医師が日常的に執刀 - 地権者に了解なく、住宅の真下に巨大トンネル
外環道、問題は「大深度法」の違憲性 - 対談 金時鐘 × 佐高 信
醜いものを隠す日本の「しきたり」を超えて - 新たな戦争態勢への移行か
日米共同作戦から見た「陸上総隊」創設の狙い - メディアの韓国バッシングに騙されるな
評価すべき文大統領の「『慰安婦』合意」見直し