脱原発、安倍一強、働き方...
2011年以降の
「運動」を考える
2011年、東日本大震災に続く東京電力福島第一原発の事故が起き、福島の被曝からの避難や原発再稼働反対(反・脱原発)運動が展開された。一方、2012年12月に与党に復帰した安倍晋三政権の数を背景とした力の政治に抗して、安保法制(戦争法)反対、2011年以前から続くプレカリアート運動、沖縄の辺野古基地移転反対をはじめとしたさまざまな運動が展開された。本特集では、3・11から7年、最新刊『三つの革命』(講談社)で、ドゥルーズ=ガタリの政治哲学を参照しながら、こうした運動の流れを読み解こうとする廣瀬純氏と佐藤嘉幸氏が、現場で行動するひとたちにインタビューするとともに、両氏、および高橋若木氏の論考を通して、2011年以降の「運動」を考え、未来をみつめる。
- 対談01 長尾詩子×廣瀬純
いのちと経済とは天秤にかけられない数を背景に安保法制や共謀罪など次々と強行採決する安倍政権。民主主義の危機を前にさまざまな運動が登場した。「安保関連法に反対するママの会」もその一つ。メンバーで弁護士の長尾詩子さんに、本誌連載陣の廣瀬純さんが聞いた。
- 対談02 佐藤嘉幸×村田弘
地域を失った原発事故被災者が、横につながって闘う原発事故をめぐる被害の全容を明らかにしないまま、収束を急ぐ国と東電を相手に、被災者は粘り強く闘っている。健康被害の問題を本誌先週号に寄稿した佐藤嘉幸さんが、「福島原発かながわ訴訟原告団」団長の村田弘さんに聞いた。
- 『三つの革命』と2011年以後
マジョリティの市民運動は無邪気さをいかにして防げるのか反差別運動の経験を踏まえ、2011年以後の社会運動の可能性を説く高橋若木氏。本稿では、佐藤嘉幸氏と廣瀬純氏の共著『三つの革命』を踏まえ、マジョリティが変革的な主体になる方法を探る。
- 対談03 雨宮処凛×廣瀬純
名づけようのない運動が未来に向けて始動しているプレカリアート運動や反貧困運動に初期からかかわってきた作家で本誌編集委員の雨宮処凛さん。貧困や働き方への社会の視線が大きく変わったと語る。11年以降は、脱原発をはじめ、さまざまな運動にも積極的に参加してきた経験に廣瀬純さんが迫る。
- 2010年代の闘争サイクルとは何か
新たな主観性から新たな社会編成へ2011年以降の「運動」をどうとらえるかは、立場や視点によって異なる。それぞれの運動が何を産み出し、これからどこに向かうのか。あくまでも一つの見取り図として提示する
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