安保大転換
防衛費倍増の
"隠された理由"
岸田文雄首相が率いる自民・公明政権は、日本の安全保障政策の大転換を進めようとしている。「存立危機事態」(注)で「反撃能力」を行使するというのは、日本が武力攻撃を受けていない段階で相手国にミサイルを撃ち込むことである。政府がどのように言葉を言いつくろっても、「専守防衛」から大きく逸脱するのは間違いない。 戦争と戦時の悲惨さを経験していない政治家たちは、中国の軍事力増強と度重なる北朝鮮のミサイル発射によって、「どうあっても戦争を回避する」という使命感を忘れてはいないだろうか。防衛(軍事)費の大幅増と安保関連3文書の改定による新しい安全保障政策は、軍事衝突の危険を逆に高め、私たちを「新しい戦前」に引き連れていくのではないか。 私たちは、岸田政権による安全保障政策の大転換に対して、上記のような問題意識をもとに今後、数回にわたって特集をお届けする。今号の第1回では、政府側が決して口にしないような防衛費倍増の"隠された理由"について。
- 半田滋の新・安全保障論
3文書改定は「安倍政治」の尻ぬぐい
米国製兵器の「爆買い」が防衛費を圧迫する安全保障関連3文書の改定作業が進む中、国民が懸念するのが防衛費の増大、ひいては日本の財政悪化だ。はたして国民に負担を強いるに値する支出なのか。だが、実態は、日本が不利な条件で米国製兵器を買わされ、ツケを負わされることにほかならない。それは、7月に銃撃され死亡した安倍晋三元首相の負の遺産でもある。
- 島田和久・前防衛事務次官単独インタビュー
「安保大転換」を進める側の論理
戦争に備えることが、戦争を止めることになる岸田政権がまとめる安保関連3文書改定と防衛費増額は、戦後の防衛政策を大きく転換させる。その路線を敷いたのは故安倍晋三元首相だ。元首相の秘書官を約6年半務め、防衛政策の転換に伴走した島田和久・前防衛事務次官は、政策転換の理由に、東アジアの安全保障環境の変化を強調する。今回の決定が、日本の安全を脅かすことはないのか、戦後日本が守ってきた「専守防衛」から逸脱しているのではないのか。島田氏に聞いた。
- 与那国島・避難訓練ルポ
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【健康】
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【本】
『ペストの夜 (上・下)』
『7・8元首相銃撃事件 何が終わり、何が始まったのか?』
『布団の中から蜂起せよ アナーカ・フェミニズムのための断章』
【映画】『チョコレートな人々』
【音楽】『The Chocolate Box』
【舞台】ブス会*『The VOICE』
【TVドキュメンタリー】
【TV批評】
【本箱】