「台湾有事」は
本当にあるのか
安倍晋三元首相は亡くなる前年の2021年12月1日、台湾のシンクタンクが主催するシンポジウムでオンラインによる講演をし、「台湾への武力侵攻は日本に対する重大な危険を引き起こす。台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある。この点の認識を(中国の)習近平主席は断じて見誤るべきではない」と語った。 同じ年の7月5日、麻生太郎・副総理兼財務相(当時)は、東京都内での講演で、「(台湾で)大きな問題が起きると、存立危機事態に関係してくると言って全くおかしくない。そうなると、日米で一緒に台湾の防衛をしなければならない」と述べた。 日本の自民党有力政治家が口にする「台湾有事」。そこには、さまざまな思惑があってのことだろう。ただ、麻生氏の発言の約4カ月前、米インド太平洋軍のデービッドソン司令官(当時)が、中国が「6年以内」に台湾侵攻に踏み切る恐れがある、と米上院軍事委員会で述べた証言とも重なり、「台湾有事」がさも起きるかのような言説が日本社会で広がっている。 だが、その言説にはどこまで根拠があるのか。 私たちは今こそ、冷静に見極めなければならない。「台湾有事」を絶対に起こさないために。
- 山本恒人・大阪経済大学名誉教授に聞く
つくられた「危機」を現実にしてはならない今や世界経済のトップレベルにある中国は、アメリカ一国支配の世界覇権に対峙するようになったがゆえに米国とこれに追随する勢力から包囲され、「封じ込め戦争」を煽られていると言える。東アジアで平和共存を図るべき日本がこの流れに乗ってしまうことは「本物の戦争」を招来することになる――。40年以上にわたって中国経済を分析・研究してきた碩学は、そう警鐘を鳴らす。山本恒人・大阪経済大学名誉教授に聞いた。
- 台湾での語られ方と住民の意識
実感に乏しい戦争への懸念台湾では「台湾有事」はどのように語られ、そこにはどのような政治的意図が込められているのか。そして当事者である住民の意識は――。台湾在住30年を超すジャーナリストが報告する。
- 対中関係に細心の注意を払う米国
厳しい言葉を交わしつつも
対話で対立をコントロール
- HPVワクチン訴訟原告女性とその母の闘いを6年間追う
母は私を抱きしめ、死のうと言った - 歓喜へのフーガ(28)
今回のお相手 西村和子さん 人形劇団クラルテ元代表
赤ちゃんはより深く
作品の本質を感じとっている - 在日韓国人政治犯 第5回 最終回
「過ちを自ら正せる社会」への
はるかなる道のり - きんようぶんか 哲学教育は何のため?
映画『ぼくたちの哲学教室』のケヴィン・マカリーヴィー校長は語る
「哲学が子どもたちを救う」 - きんようアンテナ
奨学金返済免除条件に「出産」、自民党案に抗議の署名
「袴田事件」集会で再審決定した元地裁裁判官が証言
千代田区再開発、日テレ跡地ビル建設計画めぐり紛糾
関東大震災100年、朝鮮人・中国人追悼大会を8月開催 - メディアウオッチ
先進7カ国首脳会議(G7)の核軍縮声明
「広島ビジョン」の評価分かれる
「被爆地の願い」に背くと地元紙 - 日本の民俗信仰 祀りをたずねて(36)
岩石信仰 - コロナ禍で中学生が始めた「川の図書館」4年目の春
自然の中で本を手に取り、おしゃべりも楽しむ - 新龍中国(53)
記録的ヒットを続ける日本アニメ
世代を超えて大人気 - くらしの泉
【食】
日本の農業を崩壊させる食料安保
農業の企業化とハイテク化めざす - 新・買ってはいけない(360)
小さな「コーヒーゼリー」にも
危ない要素はいっぱい - きんようぶんか
【本】
『ミルク・ブラッド・ヒート』
『海を渡った日本文学 「蟹工船」から「雪国」まで』
『まもられなかった人たち 検証「借上復興公営住宅」の強制退去策』
【映画】『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
【音楽】『I DON'T KNOW A THING ABOUT LOVE』
【TVドキュメンタリー】