平和国家が
ゆがんでゆく

岸田文雄首相は4月10日午前(日本時間10日深夜)、米国ホワイトハウスでバイデン大統領と会談。〈我々は、作戦及び能力のシームレスな統合を可能にし、平時及び有事における自衛隊と米軍との間の相互運用性及び計画策定の強化を可能にするため、二国間でそれぞれの指揮・統制の枠組みを向上させる意図を表明する〉などとする日米首脳共同声明を発表した。これは、米国の軍事戦略に日本が巻き込まれることを意味している。 戦後日本の原点である「平和国家」が次々とゆがめられている。国内では、経済秘密保護法案と、殺傷と破壊を目的とした武器(次期戦闘機)の輸出解禁がひどい。1976年に当時の宮澤喜一外相(後の首相)は国会で「わが国は兵器の輸出をして金をかせぐほど落ちぶれていない。もう少し高い理想を持った国として今後も続けていくべきだ」と答弁した。平和国家の理念をあらためて問い直す。

  • 経済秘密保護法案
    危険な人権侵害の本質がますます明らかに
    海渡雄一

    経済秘密保護法が成立しようとしている。この動きを座視してはならない。反対を続けている弁護士が、その危険な本質を指摘する。

  • 解禁された次期戦闘機の輸出
    殺傷兵器を多くの国々に売る「アリの一穴」となる
    半田滋

    政府は3月26日、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機の第三国への輸出を解禁する方針を閣議決定した。武器輸出を抑制してきた日本の安全保障政策の転換といえるが、何が背景にあり、どこに危うさがあるのか。

  • 元内閣官房副長官・ 柳澤協二氏に聞く
    次期戦闘機の輸出は日本に何をもたらすか
    聞き手・まとめ/佐藤和雄

    岸田文雄政権は、戦後日本で初めてとなる次期戦闘機の輸出解禁に踏み切った。殺傷力・破壊力の高い次期戦闘機のアジア地域などへの輸出が実現すれば、戦後日本が目指してきた「平和国家」の内実はどのように変容するのだろうか。首相官邸で安全保障・危機管理を担った柳澤協二氏にこの事態がもたらす意味と内容を詳しく聞く。

  • 核兵器廃絶と気候変動テーマに大規模イベントを実施、国連に声届ける
    持続可能な未来のために行動する若者たち 竪場勝司
  • 親イスラエルのドイツ 
    かき消されるパレスチナ連帯の声 駒林歩美
  • スイートホーム渋谷
    変貌する街 漂流する人たちが問いかけるもの 写真/吉村輝幸 文/今村守之
  • 【提携連載企画】誰が私を拡散したのか17
    アプリ投稿者たちが性的画像で恐喝「持ってるだけ金払え」 Tansa辻麻梨子
  • きんようアンテナ
    リニア大深度地下認可取り消し求め住民提訴 井澤宏明
    東京・板橋の商店街再開発で店主ら反対デモ 長岡義幸
    クルド人排斥阻止を、埼玉で条例制定求め運動 石橋 学
    再審法改正議連幹部ら、法務省の説明を批判 佐藤和雄
    反貧困ネット全国集会、台湾・韓国の報告も 竪場勝司
    暗夜胸に手をおいて 第十二夜ゆるしの逆転現象 安達茉莉子
    自由と創造のためのレッスン(139)メキシコ、新自由主義と身体 廣瀬 純
  • メディアウオッチ
    深夜番組内のセクハラ行為への苦痛訴えに
    「問題なし」としたBPO見解は問題あり
    「表現の自由」重視し人権軽視?
    李美淑
  • くらしの泉
    【食】

    貿易が止まれば7000万人が餓死なのに食料自給をめざさない日本政府 印鑰智哉
    新・買ってはいけない(380)小林製薬「紅麹サプリ」事故
    機能性表示食品制度を見直すべき
    渡辺雄二
  • きんようぶんか
    映画『青春』のワン・ビン監督に聞く
    中国の歴史と現在に向き合い、問い続ける。「私たちは誰か」
    中村富美子
    逃走中の自撮り編集映画『夜明けへの道』抵抗の監督コ・パウ氏に聞く
    ビルマの惨状 見過ごさないで
    北角裕樹
    【本】『戦争語彙集』 岩崎眞美子
    『板上に咲く MUNAKATA:Beyond Van Gogh』 高原 到
    『北多摩戦後クロニクル 「東京郊外」の軌跡を探る』 武田砂鉄
    【映画】『システム・クラッシャー』 さこうますみ
    【音楽】『55rpm』 近藤康太郎
    【映画】『異人たち』 佐々木誠
    【TVドキュメンタリー】 ワタナベ=アキラ
    【TV批評】 水島宏明
    【本箱】 渡辺妙子(編集部)選

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