知ってほしい いまも取り残されている朝鮮人遺骨のこと

崔善愛編集委員の
責任編集

「日韓併合」へと向かう1905年、山口県・下関と朝鮮半島南東部・釜山を結ぶ関釜連絡船が就航した。その後40年間、多くの朝鮮人を運んだ連絡船は、日本による朝鮮民族支配の象徴でもあった。下関から日本各地の炭鉱やダム、飛行場建設へと散らばされ、過酷な労働により亡くなった人も少なくない。日本の敗戦で植民地支配は終わったものの、その傷は終わることがない。歴史の証しはいまもひっそりと存在している。それが「遺骨」だ。1942年、山口県宇部市の沖合にある長生炭鉱で水没事故が起きた。犠牲者183人のうち朝鮮人は136人。今年7月、沈められたままの遺骨を探し出すプロジェクトがやっと始まった。強制労働の末に亡くなった朝鮮人遺骨に対し、両国政府と民らはどう向き合ってきたのか。歴史は「解決済み」ではない。

  • 北九州市・永生園
    「なぜ私たちは日本に住んでいるのか」
    筑豊の寺をまわった父・崔昌華牧師

    崔善愛
  • 長崎県壱岐・天徳寺
    79年前の引き揚げ船遭難犠牲者 
    日韓の寺が合同慰霊

    佐々木亮

    日本の敗戦後、朝鮮半島をめざしていた引き揚げ船が遭難。犠牲者の遺骨を預かっているのが壱岐の天徳寺だ。現在は日韓の寺が合同で慰霊祭を行なう。

  • 北海道・一乗寺住職 殿平善彦さんインタビュー
    「死者が追悼されずに埋まっている」
    発掘の拠点「笹の墓標展示館」の再建を

    聞き手・崔善愛

    2015年、殿平さんら日韓市民でつくる「強制労働犠牲者追・遺骨奉還委員会」が北海道各地で集めた朝鮮人遺骨115体を韓国に返還した。以来、崔編集委員と交流があるという。

  • 確認された朝鮮人遺骨は1000体以上
    問われる強制動員の責任 
    調査しても返還しない日本政府

    竹内康人

    市民や宗教者らが遺骨の追悼や発掘に取り組む一方、日本政府は何をしているのか。政府の「実態調査」によると、全国に朝鮮人遺骨が散らばっているのがわかる。

  • 岸田政権とは何だったのか 5 農業総崩れ
  • 山形県白鷹町の農民たちの訴え
    「汗水垂らして田畑を耕すのはカネのためではない」 新野祐子
  • 25年ぶりに農政の憲法たる「食料・農業・農村基本法」を改定
    食料や農民を犠牲にして企業利益を追求 鈴木宣弘
  • 【経済私考特別版】 認証制度不正で揺らぐ自動車業界 
    生産停止が8月末まで伸びたトヨタの3車種
    自動車の安全性と顧客の安心を大きく損なう
    後藤逸郎
  • 情報公開された大阪市教育委員会職員との130件のメールでわかった!
    「久保提言」への「反論」に介入していた元特別顧問 永尾俊彦
  • くらしの泉
    【介護】
    介護保険料はどう決まる?
    地域によって金額が違うのはどうして?
    内藤眞弓
    新・買ってはいけない(386)
    「大根おろし」はやっぱり自分でおろすのが一番
    沢木みずほ
  • きんようぶんか
    【本】
    『実録・苦海浄土』 五所純子
    『土左日記』 長瀬 海
    『それはわたしが外国人だから? 日本の入管で起こっていること』 文 聖 姫
    【映画】『コンセント/同意』 さこうますみ
    【音楽】『この素晴らしき世界〜ルイ・イン・ロンドン・ライヴ・アット・ザ・BBC』 後藤 誠
    【TVドキュメンタリー】 ワタナベ=アキラ

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