自公惨敗が
意味するもの
10月27日投開票の衆議院選挙で自公が惨敗した。首相指名選挙をめぐって多数派工作が激しさを増している。国民民主党や日本維新の会がキャスチング・ボート(決定権)を握っているともされるが実際はどうか。4人の識者が選挙結果を分析する。
- 政治の場に年齢・性別の多様性を
女性は過去最多だが15・7%若者や女性の政治参加が進まないのは本人たちの責任ではなく、構造的な問題だ。政治への信頼を回復するためにはなにが必要かを考える。
- 「裏金議員」の多くは落選したが……
「安倍的な政治」は払拭されない衆院選で「裏金」に関与した安倍派(清和政策研究会、解散済み)の議員は多くが落選し、派閥の実質的な力は衰えたかに見える。それは本当か?
- 低投票率がもたらした「連立方程式」
自民党総裁=首相思考の惰性は終わった欧州では珍しくない連立政権。衆院選の結果を受け、日本も新たな連立の時代を迎えた。この動きをどう見るか。
- 野党共闘の行方と今後の課題
鮮明になった「自公対立憲」の構図四半世紀にわたり連立を組んできた自民党と公明党の連立与党が過半数を割り、野党第1党の立憲民主党が躍進した。「1強多弱」の時代が終わり、「自公対立憲」の「2強」が政権をかけて戦う構図が鮮明になってきた。
2024年ノーベル賞
平和賞と文学賞 記憶を継承してきた団体と個人を称える
今年のノーベル平和賞は被団協(日本原水爆被害者団体協議会)、文学賞は韓国人作家のハン・ガンさん(53歳)が受賞した。共通点を挙げるとすれば、「記憶の継承」だろう。被団協は、広島・長崎に米国が落とした原爆の被害者として、その記憶を後世に語り続ける。ノーベル賞委員会も「肉体的苦しみやつらい記憶を、平和への希望を育むことに生かした」と被爆者らを称えた。一方、ハン・ガンさん、5・18光州民主化運動や済州4・3事件など、時の軍や政府が民間人を虐殺した事件を背景にした小説も書いた。ノーベル賞委員会はこのことに注目し、「歴史のトラウマと向き合」ったことを評価した。記憶を継承することを、同じ過ちを二度と繰り返さないことにつなげていかねばならない。
- 「核のタブー確立」の被団協に平和賞
評価された「証言の力」
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)へのノーベル平和賞決定の理由は「核兵器の使用は道徳的に容認できないという強力な国際規範『核のタブー』の確立」への多大な貢献だった。評価されたのは、広島、長崎の被爆者が世界に示してきた「証言の力」だ。 - ノーベル平和賞の受賞は「ゴールではない」
「核なき世界」を、すべての人が考えるきっかけに
すべての人が考えるきっかけに2024年のノーベル平和賞は被爆者団体の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)」に決定した。被爆から間もなく80、「被爆者なき時代」の始まりがもうすぐそこにある現実を前に、受賞の意義とこれからを日本被団協の田中重光代表委員に聞いた。(聞き手・橋場紀子) - NHK連続テレビ小説「虎に翼」
原爆裁判は作り手の思いによってしっかりと描かれた
被団協(日本原水爆被害者団体協議会)のノーベル平和賞受賞は、核廃絶に向けた動きへの後押しになるか。1963年の「原爆裁判」判決も核廃絶や被爆者救済に大きな影響を与えた。本誌の今年3月29日号で「4月から始まるNHK連続テレビ小説『虎に翼』 原爆裁判をどう取り上げるのか」を報じた。この問題提起に対し、ドラマはどう答え、そこにはどういう意味と背景があったのか--。 - 【時事IN提携企画】ノーベル文学賞受賞韓国人作家ハン・ガンさんの思い
世界中に数多くの苦しみがある中、もう少し静かにいるべき
韓国人作家のハン・ガンさんが今年のノーベル文学賞を受賞した。アジア人女性としては初めてのことだ。本誌と提携する韓国の時事週刊誌『時事IN』は、「韓国文学史における一大事件」だと指摘する。『時事IN』はどう報じたか。10月29日号の記事を紹介する。 - どうなる 日本学術会議
任命拒否問題
「6人欠員」の異常事態続く 裁判と法人化の行方は―― - 任命拒否当事者の小澤隆一さんに聞く
“偽物”の法人化に警鐘 「独立の意義」強調を - 脱原発と平和を語る福島
「小高自由大学」 - 岐阜県警「市民監視事件」控訴審で画期的判決
公安警察「個人情報収集」も違法、抹消も命じる - 【提携連載企画】「公害『PFOA』」 岡山・吉備中央編03
PFOA入り水道水はいつから飲まされていたか町、
「21年度には把握、それ以前は未測定」 - らんきりゅう(35)
大変動した衆議院の勢力図 まずは祝杯を! - 青木理の温泉という悦楽(31)北陸・富山の褐色湯
小牧ダム建設が湯処誕生の契機
複数の湯船に源泉が満たされる - 北朝鮮派兵
半田滋の新・安全保障論(99) 拡大版
北朝鮮兵士のウクライナ戦争派遣は
東アジアの緊張、核脅威増大につながる
北朝鮮軍派兵の背景に何が?
6月の「パートナーシップ条約」で軍事協力復活か - くらしの泉
【食】
物価上昇で消費者の負担は増すばかり
10月は今年最大の値上げラッシュ - きんようぶんか
【本】
『闘争のインターセクショナリティ 森崎和江と戦後思想史』
『ポッタリひとつで海を越えて 在日コリアンの生活誌』
『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い』
【映画】『ルート29』
【音楽】『Everything Matters, Everything’s Fire』
【映画】『動物界』
【TVドキュメンタリー】