多田謡子反権力人権基金は、権力の弾圧との闘いに奔走し、一九八六年に二九歳で夭折した故多田謡子弁護士の遺産を元に友人たちが運営しています。毎年一二月、国家権力をはじめとしたあらゆる権力と闘い、人権擁護に尽くした団体および個人に賞金を贈呈して講演会を開催し、闘い続ける人々を応援していくことを目的としています。

　一九八九年に、沖縄国体で日の丸を焼き捨てた知花昌一氏、徐兄弟を救う会事務局長の西村誠氏、女性解放と人権擦護の活動を担っているフィリピンの女性組織ガブリエラに第一回人権賞を贈呈して以降、回を重ね、昨年一二月には第二〇回受賞発表会を開催することができました。

　昨年は、平和教育を続けてきたために、東京都から免職処分を受けて解雇撤回闘争を闘っている中学校の社会科教師増田都子さん、青年の不安定雇用と闘っている首都圏青年ユニオンとフリーター全般労働組合、死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム’90が選ばれ、一二月二〇日、受賞発表会が行なわれました。

　資金の枯渇から、近年、賞金三〇万円を一〇万円に減額して継続している当基金は、広くご寄付を呼びかけています。

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