三万人をこえる自殺者を生み出し、貧困・格差が進む、弱肉強食の国ニッポン。障害者が働きに行くと、その施設の利用料を払わされる国ニッポン。「いのち」の大切さを見つめ直し、立ち止まって何が足りないかを考えた時、この映画のことを知りました。

　昭和三〇年代に、豪雪・貧困・多病多死の三重苦を乗り越え、全国に先駆けて老人医療費無料化と乳児死亡率ゼロを達成した岩手県西和賀町(旧沢内村)は、「住民の生命を守るために、私の生命をかけよう」と宣言した当時の深沢村長と住民が築き上げた「生命尊重の理念」が、現在も受け継がれています。本作品は、老人や障害者、児童養護施設の子どもたちの生命に向き合いながら、地域に生きることを模索している人びとの姿を映し出しています。この国の未来を変えるために、改めて身につけたいものを教えてくれます。

　大阪府吹田市で中途障害者の仲間とともに歩んできた「工房ヒューマン」。その活動を広く皆さんに伝えるとともに、生命を大切に地域でお互いに支えあって生きていくことを願い『いのちの作法』映画会を開催します。

▼日時:二〇〇九年一〇月一日(木)一回目一四時開演、二回目一九時開演
　場所:メイシアター中ホール(大阪・阪急吹田駅前)
　チケット:前売り一〇〇〇円、当日一二〇〇円、高校生以下五〇〇円
　問合せ:電話番号　06・4860・0539