ことし四月、獄中にいる人たち、出所してきた人たちを手助けする支援団体を設立しました。代表の私は、前科三犯で通算二〇年間近く服役した元受刑者です。団体の名称は「愛の反対は憎しみではなく、無関心(無視)だ」と教えるマザー・テレサに由来します。

　私はかつて、三度目の逮捕で家族から縁を切られ、絶望して自殺も考えました。そんなとき、留置場に入ってきた明るい性格の日系ブラジル人が聖書の話をしてくれたので、拘置所に移ってからも新約聖書を読む日々が続きました。その中で、出所後は更生するには余りにも厳しい環境に放り出される元受刑者を支援することを決意。現在、ボランティアのみなさんとともに、更生改善・就職を含む社会復帰支援、被害者と加害者の和解に関する支援(修復的対話サポート・修復的正義)、収監者に手紙を出す活動(マザーハウス・ラブレター・プロジェクト)などに取り組んでいます。また、各地の大学や教会などでの講演活動も引き受けています。

　当団体では活動費に充てるため、ルワンダ産の高級コーヒー豆を輸入して元受刑者らが焙煎。「マザーハウス」ブランドで販売(二〇〇グラム一二〇〇円)しています。

【問合せ】「マザーハウス」代表・五十嵐弘志
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