政府はこの3月、後藤健二さんら2人がIS(「イスラム国」)に殺害された「人質事件」の政府対応をめぐる検証委員会を立ち上げました。しかし、政権寄りの「有識者」が委員に選ばれるなど、どこまで事件の本質に迫った報告書が出されるのか、懸念されます。

　そして事件が「邦人救出」や「テロ対策」といった美名のもと、安倍晋三首相が成立を狙う戦争法案に象徴される日本の軍事化と、改憲に向けた動きに利用されようとしているのは明らかです。そのため、事件を正確に検証し、安倍首相の言動と事件の関連性について追及する必要があります。

　そこで、シリア内戦勃発後に4回の取材を重ね、今回の事件でも現地の情勢を追ったジャーナリストの西谷文和氏にインタビューしたDVD『なぜ2人は“犠牲”に』を制作しました。内容は、(1)エジプトやイスラエルで安倍首相は何を語り、事件にどのような影響を与えたか(2)なぜ政府はトルコではなく、ヨルダンに対策本部を置いたか(3)政府のやったことは、「挑発外交」ではなかったのか――といった点に焦点をあて、政府の対応について分析しています。

　メディアがこの事件について沈黙している以上、市民の力で真相を明らかにせねばなりません。事件を風化させないためにも、ぜひ多くの人がこのDVDで学習してください。44分。1枚3000円。

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