ジェンダー情報
2018年07月06日|カテゴリー:ジェンダー情報
【裁判】性犯罪時の盗撮ビデオ没収を最高裁が決定 6月26日
性犯罪時の様子を盗撮したうえ、被害者に対しビデオ原本の処分と引き換えに告訴取り下げを求めた「宮崎強かんビデオ事件」。このビデオテープを裁判所が没収できるかどうかが争われた裁判の上告審で、最高裁第一小法廷(小池裕裁判長)は6月26日付で没収可能と決定した(裁判官5人全員一致)。同法廷は「被害者に知らせて処罰を求めることを断念させ、刑事責任を免れようとした」として、ビデオが犯罪のために使われたと認定。「客とのトラブルに備えて撮影した」とし、犯罪とは無関係で没収できないとの被告側主張を退けた。これで、懲役11年とビデオ没収という一、二審判決が確定する。
この事件は宮崎県宮崎市のマッサージ店経営の男性が複数の客をレイプし、さらにそれを盗撮したことで告訴されたが、被告の弁護士が告訴取り下げを条件に原告側にビデオの処分を持ちかけ、「脅迫のようだ」と問題になったことでも知られる。この弁護士に対する懲戒処分請求の署名が集められ、2015年3月に宮崎県弁護士会に提出されたが、同弁護士会は「懲戒しない」と決定したことは本欄で既報。署名活動と被害者支援をしてきたNPO法人「しあわせなみだ」の中野宏美理事長は「ビデオが没収されなければ、被害者はビデオの存在に恐怖を感じ続けることになる」と注目しており、今回の決定を「非常に画期的な判断と思います。市民の声が届いた結果であると受け止めています。これからも現場の声を伝えていきたい」と評価した。
【インフォメーション】
◆7月14日(土)13:30~16:30
▼シンポジウム「復興・防災と女性の活動」
▼内容:阪神・淡路大震災後の女性の活動/中越大震災後の女性の活動/東日本大震災後の女性の活動/これから起きる災害に備える女性の活動
▼会場:大阪・ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)5階大会議室2
▼参加費(資料代含む):1000円
▼定員:70名(先着順)
▼申込み:名前(ふりがな)、連絡先(電話番号)を記し、Mail・maisonblanc305@gmail.comかFAX・06-6684-9679で申し込み
▼主催:LEO-NET「復興・防災と女性の活動」実行委員会(WAN基金助成事業)
▼問合せ TEL・06-6684-9678
◆7月14日(土) 18:00 ~21:00
▼性暴力禁止法をつくろうネットワーク10周年記念イベント
▼基調講演:大藪順子(フォトジャーナリスト)、コーディネーター:戒能民江(弁護士)
▼場所:東京・文京区男女平等センター(地下鉄春日駅、本郷三丁目駅)
▼予約不要
▼問合せ:Mail・stop.sv@gmail.com
宮本有紀・編集部