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子どもたちと「ともに」水俣「に」学ぶ

〈「水俣」を子どもたちに伝えるネットワーク〉と名乗って活動を始めて20年以上が経つ。私たちは、水俣病事件の「当事者」ではない。なので、子どもたちと「ともに」水俣「に」学ぶ姿勢でありつづける。「水俣」に付ける「□□」に「いま」「ここ」の意味を込めつつ。

 子どもたちの前に立ち、最初に子どもたちにとって「水俣」は近いか、その事件は昔のことかどうかを問いかける。多くの子どもが「遠い」「昔のこと」と答える。では「私たち」はどうかと問うと、やはり「遠い」と答える。私が何者なのかを知らないから。そこで私たちの自己紹介をする。すると数分前「遠い」と感じていた私たちのことを、子どもたちは「近い」と言ってくれる。

 水俣病の原因や差別の歴史、今も裁判が続いていることなどを伝えた後で「チッソは憎いか、チッソが作ったものを持っていたらどうするか」と聞くと「ムカつく! 絶対買わない! 捨てる」と声が上がる。

 そこで、チッソの作っているもので何ができているのかを伝えると子どもたちはハッとした表情を見せる。「遠い」「無関係」と思っていた「水俣病」「水俣」が自分の生活と深く関わっていることに気づき、「水俣」を自分ごととして考え始め、自分が「水俣」に出合ったことを自覚する。子どもたちの表情の変化が、この時代を生き未来に思いを馳せる私たちの希望となるのです。

otoiawase@tsutaeru.jp