週刊金曜日 編集後記

980号

▼東京都知事選挙が終わったが、今度は東京・町田市の市長選挙と市議会議員選挙が2月23日に行なわれる。現職の石阪丈一市長はすでに2期務めているが、1月に行なわれた「まちだの未来を語ろう」と題された集会では、町田市が抱える問題が市民団体メンバーらから次々と挙げられた。
 たとえば2012年12月から「受益者負担」「目的外利用の防止」を理由に公園駐車場を有料化した問題。逆に人件費などにより8カ月で約4100万円の赤字が生じており、昨年12月、市民から市長に対して赤字分の返還を求める住民監査請求が行なわれた。現在、駐車場は平日のみ無料になったが黒字には戻っていない。
 また、すでに計画が進んでいる生ごみバイオガス化施設の問題。建設費は約36億円の予定だが、維持管理費は未定で、採算がとれるのか、本当に安全かなどの疑問がある。そして、今や希少価値となった原っぱや雑木林をつぶしてスポーツ公園にする野津田公園問題と、いずれも市民の声を無視する市の姿勢……。さて、市政は市民の手に戻るか。(吉田亮子)

▼2週連続で雪が降り、ここのところ、週末は雪かき以外のことはしていないかも――てなくらい、雪かきしかしていない。とゆーか、雪かきに燃えた。
 雪かきしていると無心になれるのだ。「止まれ」の道路標示が見えたときの達成感。雪原(?)にどう道を作りバイパスを通していくか考えていると、気分はまるで「シムシティ」(すみません)。わが家は角地にあり、家のまわりのみならず、交差点や歩道の雪をどけておかないと車や人が通れなくなってしまうので、というせいもある。いまだ孤立している方々がいるという状況で、はい、雪国の方には怒られてしまう、のんきな雪かきです。
 それにしても、かいた雪を置く場所がなくて困った。除染で出た土を置く場所がないということはよく聞くが、雪はまあ、そのうち溶けてなくなるけれど、土はそういうわけにはいかない。
 てな感じで真っ白な週末を過ごして週明けに神保町に来ると、ほとんど雪が残っていないので、今度はそのギャップにビックリなのである。(渡辺妙子)

▼洗濯機が壊れました。購入してまだ6年経っていないので(洗濯機は10年もたせるのが信条!)、新たに購入する踏ん切りがつかず……かと言って修理に出すのはめんどくさい、と思いながら数週間が過ぎました。
 壊れて直ぐに頭を過ったのが、本誌「主婦の科学」を連載中のアズマカナコさん。“昭和の暮らし”を実践中のアズマさん宅には、洗濯機がありません(本誌2月7日号参照)。4人家族で可能であれば、私にもできるのでは? と思い至ったのです。
 幸いにも(?)、私は一人暮らしのため、一日の洗濯物量はさほど多くはありません。入浴の際についでに洗濯。簡易脱水の後、そのまま風呂場で水切りしてから外に干してます。長期旅行では宿での洗濯が鉄則なので、その経験も生かしつつ乗り切ってます。
 しかし、電気が途絶えがちな国に暮らしていた友人曰く「洗濯で腕が太くなった」。これ以上、肩回りが太くなると困るので、早めに買い換えようかと再び思案中です……。(ゆげたりえ)

▼田母神俊雄が都知事選で票を集めたといって今更ながらに驚いている人たちがいるが、今まで都民が選び続けた石原慎太郎よりも田母神が危険な人物とでも言うのだろうか? 田母神と石原の違いなどほとんどないと言っていいだろう。だからこそ石原は田母神を応援したのだ。実際に石原が都知事になっていたことより、都知事になれなかった田母神の得票を憂うというのはおかしな話だ。
 迫ってくる危険に対して危機感を持つことは、良いことだが、危険の基準が人物本位だと、過激な人物が現れる度に、既存の危険人物の危険度が下がってみえる。状況がそれだけ悪化しているということだが、批判されるべきことは変わらないはず。大勢に迎合して甘くすることは、あってはならないと思う。
 弊社新刊『愛国者の憂鬱』をベースにした安田浩一さんと鈴木邦男さんの対談「なぜ、『愛国者』が憂鬱になるのか」が2月26日22時からニコニコ動画「のりこえねっとTV」にて生放送されます。ぜひご覧ください。(原田成人)