985号
2014年03月28日
▼高知では3月18日に桜が開花。一方、北日本は「春分の日」の21日、強風と大雪で大荒れ。北海道根室市では観測史上最高の積雪を記録した。東京も低気圧の影響で強い風が吹いた。連休明けの24日は全国的に晴れ。めまぐるしく変わる天気に戸惑いながらも、電車の窓から見える柳の芽吹きを見て、春の訪れを知る。
もうお気づきでしょうが、3月14日号から今週号まで4月1日からの消費税増税に対応するために表4(裏表紙)では3月31日迄(税5%)と4月1日以降(税8%)の2種類の価格表記を掲載しています。本誌は定価を据え置くので4月4日号以降の表4は定価表示に戻ります(本体価格が下がるので実質的な値下げです)。
日曜日、散歩の途中コンビニで缶ビールを買ったらちょっと安かった。「あれ?」って思ったら、値札が4月以降の税込表示だったのでした。一瞬、得した気分になったのにリアルに増税を実感。4月から無駄なものは買わないぞと改めて思う春の午後。(本田政昭)
▼教科書採択問題の渦中にある沖縄竹富町に3月、地方主権を無視した文科省の是正要求が入ったが、竹富町教育委員会は、来年度も有志から寄付された東京書籍版の公民教科書を配布するという。そこには優れた「長」がいるはずでは? 東京国立市にもそんな状況下で市民を守った「長」がいた。
2002年、市民のため住民基本台帳ネットワークを切断し、総務省の是正要求にも屈せず切断を守り抜いた上原公子元市長。引き継いだ次の関口博市長だ。だが11年の市長選で市長が代わった途端に接続となってしまい、同時に「市民」による「住基ネット切断費用にかかった費用を関口前市長に要求する住民訴訟」が起こされたが、この2月、関口前市長の逆転勝訴が勝ち取られた。まだ上原・関口両氏への住基ネット再接続訴訟(3400万円)、上原氏への景観訴訟(3100万円)の判決が残っている。行政を萎縮させる効果を狙った元・前市長への「スラップ訴訟」だ。(柳百合子)
▼昨年、米国NSA(国家安全保障局)の機密ファイルを実名で公開した、エドワード・スノーデン氏は、ペンタゴン・ペーパーズ(1971年)以来最大の内部告発者と言われる。一般市民の膨大な情報を、当局が事前の警告なしに、通信会社やシリコンバレーの企業に秘密裏に命令し、収集していた。表向きは「テロ」対策であるが、「違法な」個人の情報収集であることが暴露された。
告発の動機は、「自分の発言、行動、話す相手、創造するもの、愛や友情の表現すべてが記録されるような世界で生きたくない」から。現在の状況は、円形の刑務所の建物の中心から、知られる事なく受刑者を常に監視できるパノプティコンだと言う(『スノーデン・ファイルズ』、ルーク・ハーディング)。ディストピアは現実化していた。
情報の追跡を回避するには、メールを暗号化せずに使わない事、携帯端末は屋内で冷蔵庫に入れておく事だと彼は言う。(樋口惠)
▼子を亡くした母親のことを自業自得と言ったり、無責任だとか責めたり(無責任な親ってのは車や家に放置する人で、どうにか預けようなんてしないのでは)子に読みにくい名をつけたり茶髪だったりする親だからとか批判したりもうそういうのはうんざりだ。ネットなどで言いたい放題の茶の間ももちろんだけれども、TVでコメンテーターもそう言ってたし、って(そのような番組は見ないように私はしていますが)。政治家も。
すべての子育て中の親に、普通に暮らしていけるだけの収入と環境と、「安全に」子を預けられる所を提供してくれ。そしてそれをわかりやすいように提示してほしい。
私自身はネットなどで必死に低価格の預け先を探さなくてはならないような経験をまだしていないので(しかし地域のファミリーサポートは協力会員がいなくて利用できず)、大変な状況の人を批判なんてしたくない。想像力がない人って多いのだなあといつも思う。(佐藤恵)