週刊金曜日 編集後記

994号

▼「アイドル」にくわしい……とは言えない私。畏れ多くもやらかしてしまいました、特集16ページ。きっかけは書評委員・倉本さおりさんの『アイドル楽曲ディスクガイド』の原稿(4月11日号)。これが面白くて、つい口をついた「アイドル特集、やりましょーよ」。言った相手が悪かった、いや良かった。倉本さんとの打ち合わせのたびに企画はどんどん増え、人脈が人脈を呼び、ついには中森明夫さん、篠山紀信さんまで登場してくださることに……。何よりも、倉本さおりさんに感謝!
 編集過程で、握手会での残念な事件が起きましたが、そのことでより一層、取材させていただいた方&執筆者全員が一つの同じ思いで発売に向けて突っ走る……そんな気持ちになれた不思議な毎日でした。「アイドルを守れ!」――。
 私も強く、そう思います。なぜなら竹中夏海さんの以下の言葉にすごく共感するし、そういう世界であるように努力することが、本当に大切なことだと思うから。
 「歌って踊るカワイイ女の子がいる限り、世界は楽しい」(小長光哲郎)

▼十数年前、日本でも大人気だった米国ドラマ「ビバリーヒルズ青春白書」のワンシーンをなぜか思い出した。主人公のケリーがレイプ犯に襲われ、必死に抵抗する混乱の中で犯人を撃ち殺してしまうのだ。そのシチュエーションに衝撃を受けた覚えがある。もし自分が、もしくは大切な人の身に危険が迫ったら……。
 自分や大切な人を守るためと言われれば、銃を持つ誘惑に駆られるだろう。目の前で自分を狙っている人がいて、それでも殺さないと言える人はいないだろう。
 だがだからこそ日本国民は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」のではなかったのか。脅威が迫っていると武器を取るのではなく、相手に対して武器を捨てようと呼びかけてきたのだろうか。武力に依らざるを得ない社会状況を改善させるための努力をしてきたのだろうか。
 「ビバヒル」でケリーは、自分の身に危険が及びながらも、人を殺してしまったことに対して苦しんでいた。     (弓削田理絵)

▼夏ですね。ついに名実ともに、冷房シーズンに突入しましたね。今年は突然暑くなったりした日があったせいか、3月くらいからちょこちょこと冷房を入れる電車がありました。年々、冷房を入れる日が早くなってきている気がします。3年前の夏はどうだったっけ? とつらつら思い出すと、冷房苦手の私でも「これはちょっと……」と思うくらい、地下鉄が地獄の暑さだったのを覚えています。しかも誰も窓を開けない。
 それからどの電車も、車内の電灯を何カ所かはずしたり、昼間は電気を消して走行していましたよね。駅に着くと真っ暗になってしまうので、そこだけ不便でしたが(車掌さんが気が利く人だと、駅に着いたときは電気をつけてくれました)、なんだ、昼間だったら車内照明はなくても大丈夫じゃん、ということを知った夏でもありました。今はLEDに付け替えているからなんでしょうか、消灯なんて、すっかり過去のことになりました。
 つい3年前と今と、雲泥の差なので、ときどき思い出すようにしています。(渡辺妙子)

▼本誌では3月中旬からご紹介キャンペーンとして、ご紹介が成約した場合に、ご紹介者と成約者の方それぞれ2枚ずつ、図書カードを差し上げるキャンペーンを実施中です。おかげさまで多数のお知り合いをご紹介いただいております。この場を借りてお知り合いをご紹介いただいたみなさまにお礼申し上げます。キャンペーンは好評につき、5月末までとしていた期限を7月10日まで延長いたします。この機会に是非お知り合いの方をご紹介ください。
 また、本誌ウェブサイトをご覧いただいている方は、お気づきと思いますが、毎週、平井編集長が出演してその週の本誌の見どころを紹介するYouTube番組「金曜日ちゃんねる」を公開しています。「手作り感満載」の動画ではありますが、編集部員や記事を執筆したライターが持ち回りで出演し、取材秘話から裏話まで縦横に語っています。動画に関して、ご意見ご感想などありましたらMail henshubu@kinyobi.co.jpまでお寄せください。今後の参考にさせていただきます。(原田成人)