週刊金曜日 編集後記

1149号

▼長年沖縄取材を続けている佐古忠彦さんが初監督作品で見つめた瀬長亀次郎。いまも沖縄の集会などでは「不屈」をはじめ、"カメジローワード"が溢れる。8月12日が先行公開の日で県民大会とぶつかり、「そっちへ行っちゃうからお客さん来ないかも」と笑っていた佐古さんだったが、満員の盛況だったとか。必見の映画です。
 そして、かわら長介さんの「コント工場の有機物」。最終回となりました。毎回、原稿を見て笑い、山田博之さんのイラストを見て笑い。担当としても「台本」の奥深さを楽しみ、満喫した連載でした。
 もう一つ、お知らせ。本誌連載中の齋藤陽道さん「それでも それでも それでも」が同タイトルで単行本になりました(ナナロク社/1800円・税別)。装幀はあの祖父江慎さんと藤井瑶さん。素敵な本です。取次を通していないため、書店にない場合は注文してお取り寄せを!(小長光哲郎)

▼8月9日から18日間、「女子ラグビーW杯アイルランド大会」がアイルランドと北アイルランドの会場で行なわれている。
 友人知人に薦めても、女子W杯ラグビーも、日本が初めて予選を勝ち上がっての参加であることも、誰も知らない。さびしい。
 参加国は12カ国。8月18日現在、プールCのサクラフィフティーンは、フランスに大敗、アイルランドと接戦、オーストラリアには惜敗の3敗でプール最下位。これから9位~12位決定戦に望む。
 予選会場となったのは、アイルランドのダブリンにある「ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン」。いわば公立大学にあるグラウンド。大学の施設!? と侮るなかれ、これが素晴らしい。大学にW杯が開催できる球技場があるなんて、もうすでにキックオフの前に負けている。19年の日本男子W杯が不安になる。(土井伸一郎)

▼英国から最近日本に移住してきた人に、「日本のテレビはなぜ女性の性を売り物にするような番組が多いの?」と疑問を呈された。男性は服を着ているのに、女性は水着だったり露出度が激しい服だったり。何よりセクハラ発言があまりに多い。周りの日本人女性を見ても、自分の行動に「女だから」という理由付けをしたり、「女子力向上」にとらわれていたり、社会が押し付ける"女性らしさ"が息苦しくないのか不思議だという。
 私自身がテレビの話で最近驚いたのは、元フジテレビアナウンサーの加藤綾子さんが、ある深夜番組で、フジテレビの面接時に「セクシーポーズをしてください」と言われ、スカートの裾を膝上までまくり上げて、「エヘッ」とやったというエピソードを笑って披露したことだ。セクハラとして問題になるのではなく、セクハラ発言にどう切り返しをするかが試される世界。末恐ろしい。(渡部睦美)

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