1197号
2018年08月24日
▼沖縄県の翁長雄志知事が膵臓がんのため亡くなった。享年67。
国内はもちろん、海外の要人や主要メディアも相次いで追悼の意を表明。仏ル・モンド紙や米ワシントンポスト紙などがその功績を報じた。米フォーブス誌が以前「一貫して日本政府、米国、ペンタゴンなどに抗い続けた日本一勇敢な男」と讃えたが、その米国務省すら「貢献に感謝」と弔意を示した。
しかし、日本の首相は未だにその訃報を黙殺。友人で同時期に亡くなった俳優には複数回の弔意を示したにもかかわらず、だ。そしてあろうことか告別式当日に、肘をついてかき氷を食べる写真をツイート。意図的かどうかはわからないが、「肘をつく」行為は、不作法、怠惰、気楽さの表れとされる。これはあまりに配慮に欠ける行為。
戦没者追悼式の翌日にゴルフ場で、総裁選に向けて問われると、「さらに3年の任期に耐えうる気力、体力があるか見つめ直しながら判断したい」と返していたが、足りないのは、一国の首相としての能力と品性だろう。(尹史承)
▼以前、動物には感覚的になじめなかった。それが変わったのは、フランスに住んでいた頃に連れ合いに誘われて、近所の野良猫にエサをあげる体験をしてからだ。やがて猫が好きになり、帰国してからはさらに好きになって、結婚前に「動物は嫌だから」と連れ合いが飼っていたのに引き離し、彼女の実家に預けていたシャム猫を連れ戻して、家で飼い始めた。この猫は、一生忘れないような心温まる想い出を残してくれた。連れ戻して2年後に亡くした際には、本当に悲しかった。それから我が家に計4匹の猫たちが来てくれたが、みな天国へ旅立ってしまった。諸事情で現在は猫を飼っていないが、その分、動物たちの幸せに役立ちたい。彼らも痛みや喜びを感じ、愛され、平穏に生きることを願う。その点、人間と何も変わりはしない。だから動物たちが幸せに生きられる社会にすることは、私たちもそのように生きられることに通じるはずだ。そう信じて、本誌の今号で「動物記事デビュー」を果たした。(成澤宗男)
▼8月6日は広島にいた。広島平和記念式典を見るためだ。ところがその日の朝、宿泊先のウィークリーマンションで布団から起き上がった瞬間、原因不明のめまいに襲われた。目の前がぐるぐる回り、立ち上がろうとすると立ちくらみがする。しばらくめまいは続いたが、とりあえず広島平和記念公園に向かった。すでに多くの人が式典会場を取り巻いて、松井一實市長の「平和宣言」に聞き入っていたが、めまいはいっこうに治まらず、その場に座り込んでしまった。結局、記念式典後の碑巡りは断念せざるを得なかった。
当初は軽い熱中症にかかったのだと思い、水分を多くとり、漢方薬を飲んだ。それでもめまいは続いた。とうとう病院に行った。医者によると、「良性発作性頭位めまい」だという。耳の中にある「耳石」が三半規管に入り込み、それによって脳に誤った情報が送り込まれ、脳が混乱することでめまいを起こすのだという。原因が分かったので薬を処方してもらい、回復に向かっている。(文聖姫)
▼猛暑から逃れるように8月初旬、北アルプスの白馬岳に登った。
7月と8月は高山植物の花々が見頃だ。白馬連峰でも競い合うように咲いているが、私が知っているのはコマクサとウルップソウくらい。すでにウルップソウは見頃を過ぎていたが、可憐な花々にしばしば足を止めて見入った。
それにしても今年の暑さは異常だ。過去の経験から、標高3000メートル付近ならば夏でも涼しい風が吹いている、と思っていたが、今回は必ずしもそうではなかった。地球温暖化が夏山登山にも影響しているのか。
太陽にあぶられ、長時間歩くうちにジリジリと水分を奪われる。白馬岳の山頂手前で、不覚にも軽い熱中症にかかってしまった。涼しいはずだと油断して、小まめな水分補給を怠ったようだ。登頂の感激も台なしである。
白馬山荘で1泊して翌日は大雪渓を下ったが、標高が低くなるにつれて気温も上がり、それほど涼しくなかったのは残念。ああ、でもまた登ってみたい。(斉藤円華)