1205号
2018年10月19日
▼6月に腎臓のがんが見つかり、7月に片側を摘出手術。再発率は6%~30%と言われていたが、術後3カ月検査の先日、別の場所に再発していたことが判明した。
一方で、現在小社は経営危機の真っ只中。退職者が続き、編集委員のお一人も小誌を批判して辞任され、ネトウヨは、左翼雑誌消滅の「朗報」とSNSで大喜びだ。
私自身は、先月定年退職を迎えたが、社員が減っていくなかで誌面づくりが困難ということで、1年契約での再雇用契約に応じた直後の再発となった。うまくゆけば今回は小さな手術で摘出でき、社に大きな迷惑をかけずに済むかもしれないが、いずれ足手まといにしかならないなら辞めるつもりだ。
ただ、社員自ら言うのもなんだが、安倍3選で改憲が強行されようとしている今こそ小誌を消滅させてはいけないと思っている。批判を受け止めつつ、原点である『ヴァンドルディ』や『土曜日』の役割に一歩でも近づけるよう、体力が続く間は頑張りたい。(山村清二)
▼佐高信さんが編集委員を辞任した。紙幅の限られた中での発言だけに、読者からも賛否両論の戸惑った感想が寄せられている。ただ佐高さんは2010年まで小社社長を5年間務めており、どの編集委員より今の編集部をよくよく知っている点には留意したい。
同じく編集委員を務めていた故・筑紫哲也さんはたびたび「ゆでガエル」の話を引用した。ある外交官は外交史は巨大な客船のようなものだと語った。つまり出来事は連続しており急激に変化するものではない。じわじわと茹で上げられ、ゆるゆると氷山に致命的に激突する。気づいたときには手遅れなのだ。『週刊金曜日』は「炭坑のカナリア」でありたいと考えてきたが、痛痒がなければ自らに巣食う悪性腫瘍も見ないようにするものか。10月28日に25周年記念集会を開催するが、その前夜祭? で27日に読者交流会を開きます。従業員の生の声も聞けるので、ぜひともご参加ください。(平井康嗣)
▼誰にでも「何だかよく分からないけど通い続けてしまう店」というものがある(と思う)。ある意味、そこはその人の「ホーム」だ。ラーメン、カレー、蕎麦、うどん、和洋中、喫茶、酒処......。
家の近くにあった、老夫婦が切り盛りする「町中華」の店もそんな感じで、安い・美味しい・ボリューム満点、居心地がいいという王道を極めた、地元民が愛する大衆的な店であった。かなり繁盛していたのだが、先日、閉店した。高齢のため体力的に限界とのこと。とても残念だが「お疲れさまでした」とココロから思う。
高齢化の影響か、昔ながらの店の閉店がこのところ多い気がする。先日も「いつでも」入れると思って入店を保留していた老舗の居酒屋が閉店していて後悔した。記憶に残るような小さな店には、「そこにしかない、人と場と時間(時代)から生まれる物語」がある。「いつでも」は「いつまでも」じゃないのだ。(本田政昭)
▼10月5日号で記した「本社の経営状況」で、肝心の定期購読部数を書き洩らしておりました。同号発行時点での購読部数は1万3644部。ただ翌10月12日号は、契約更新をされる方が2000人を超える「大量更新対象号」のため、今週号で部数は凹みます。それでも新社長就任以降、購読申し込みは堅調です。まずは1万5000部の回復を目指します。
右欄でお知らせの通り10月28日「創刊25周年記念集会」を開催します。当日は本多編集委員講演のほか、崔善愛さんによるピアノや日本国憲法の合唱演奏を披露。加えて青木理さん、望月衣塑子さん、発行人の植村隆による鼎談等を予定しておりますので、ご期待ください。また8月10日・17日合併号の投書欄に投稿してくれた、橋本勝さんのイラストを使った"オリジナル9条Tシャツ"を枚数限定で作成しましたので、当日会場で販売します。まだ席に余裕があります。皆さまお誘いあわせの上ご来場ください。(町田明穂)