週刊金曜日 編集後記

1393号

▼写真企画「あめつちのことづて」を今週号で掲載した。都会の人は商店街などがあるためピンとこないかもしれないが、自動車の所有が一般的になる以前は、徒歩で行商人が山奥の村などに生鮮食料品や生活物資などを運んでいた。

 子どもの頃、自分の家にもリヤカーを引いたおばあさんが地元の海で採れた魚の行商にやってきていた。その頃は鯨肉もまだ普通に商われていて、地魚とともに箱の中にあったことを記憶している。

 山間部の村に通い、水俣病被害について取材した「あめつちのことづて」は、すべてフィルム撮影、モノクロフィルムによる手焼き写真だ。ひとつひとつの写真に込められた撮影者の想いを感じていただければと思う。

『西日本新聞』に連載した「あめつちのことづて」をまとめた小冊子を今年5月に著者の豊田有希さんが刊行した。定価2000円(税込)+送料250円。詳しくはhttps://yuukitoyoda.base.shop/(本田政昭)

▼隊内でセクシュアルハラスメントを受けたと告発した元陸上自衛官の五ノ井里奈さんが、インターネットで「自衛隊内におけるハラスメントの経験に関するアンケート」を実施すると、現役含め146人の男女からハラスメント体験の回答があったという。9月6日には防衛相が特別防衛監察によるハラスメント実態調査を行なうと発表したが、あまりに遅すぎる。

 2006年にも女性自衛官が男性上司から性暴力を受けた事件があり、国家賠償請求訴訟を提起している。被害者保護も加害者処罰も不十分で、それに不満を訴えると退職を強要されたためだ。結局、継続任用を拒否されてしまうが、判決は全面勝利だった。

 当時も、自分も同様の被害にあったというメッセージが男女の自衛官から多く寄せられたという。遅くともその時から実態調査して対策をとるべきだったが、「上官が絶対」の軍隊ではハラスメント防止は無理なのかも。それならもう解体するしかない。(宮本有紀)

▼友人のKさんに誘われ御岳山、日の出山ハイキングに行ってきました。「コースは初心者用」と聞き散歩の延長のつもりで8時から登り始めたのですが、武蔵御嶽神社の階段と山道に足は引きつり、呼吸も荒く、ひたすら牛歩でした。

 日の出山山頂で昼食をとり、14時過ぎには下山。「日頃の運動不足を解消して、いい汗をかいた」と、締めの温泉につかりました。ここまでは良かったのですが、その後3日間はふくらはぎ中心に筋肉痛に襲われ、階段の上り下りさえ苦労する羽目に。

 登山が趣味の編集者Tさんに、今回の話をしたら、「低山は暑くて登る気になりません」の一言。御岳山の標高は929メートル、日の出山は902メートルです。

 筋肉痛にならない方法をアドバイスしてもらったところ、「毎日、鎌田式スクワット10回を3セットがいいのでは」とのこと。次の紅葉ハイキングに向けて、本誌で紹介した鎌田式健康法を実践することにします。(秋山晴康)