週刊金曜日 編集後記

1494号

▼新政権が発足したばかりなのに、もう選挙? なぜに選挙? できたばかりで「判断を国民にゆだねる」「国民の信を問う」と言われても、国民は何をどう問われているのかしら? そもそも信なんかないのだから、「信を問う」も何もないだろう、と思った次第です。「信はゼロ」からスタートするのが、政権側のあるべき姿ではないのでしょうか。

 裏金問題は結局、どうなったのでしょうか。裏金議員たちは修正申告をしたのでしょうか。脱税じゃないんですか? 法律的には何とでも言い訳できるのかもしれませんが、庶民感覚で言えば脱税ですよー。修正申告をして、追加納税してくださいよー。

 物価高に伴ってあらゆるサービスが値上がりし、でも収入は増えない。なのに、やたらとNISA(少額投資非課税制度)を勧める政府って何なのでしょう? 投資よりも大事な政策があるのではないでしょうか。自民党総裁選の騒ぎを見ていても、「自民党総裁」というポストの奪い合いであって、「国民のために」というような心意気は感じられませんでした。こんな状態で迎える総選挙は、はたしてどんな結果になるのでしょうか?(渡辺妙子)

▼はや総選挙か。私の住む地域は区割り変更があったので有権者はやや混乱する(え、私だけ?)。自民と立民の候補者が1歳違いで姓も同じ。フォトジェニックな顔立ちを強調する同じ水色・白のポスターだから、名を大きく打ち出してはいるが、「どっちがどっち?」状態。しかも駅の街頭演説で家人が渡されたチラシを見ると、党名はち~さくしか書かれていない(そういえばこの地区の前回候補者は区割り移動ではなく別の地域に散っている。どうなっているんじゃ?)。前回この地区では立民と共産で選挙協力が実現し、立民に一本化。今回も共産は候補者を立てていない。打倒与党候補! は叶うのか?

 郷里の母は特養に入所してから初の選挙だ。入所時に確認していたが、念のために手順を電話で話したところ「新型コロナが流行っているので選挙はちょっと......」と施設のケアマネさんが驚愕の一言。えっ、そんなに流行ってます?ならば安心して投票できる手立てを講じていただけないものか?

 雨が降っても風が吹いても、痛む膝をさすりさすり父と2人で投票所に出かけていた母の姿を思い出し、母の選挙権行使に、がぜん私の闘志は燃える!(小林和子)

▼先週号(10月18日号)で、1989年から多摩川両岸(延べ200キロメートル)を巡回している写真家・小西修さんの「多摩川2024 猫とおぃちゃんの暮らし」を掲載しました。

 小西さんに「多摩猫」の記事を初めて書いていただいたのが、19年11月29日号です。翌20年には、5月から「多摩猫 キセキの物語」を半年間連載(月1回)してもらいました。宮澤賢治の直筆「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」と猫の落書き(イラスト)をお借りしてタイトルわきに添えました。

 今回は、「キセキの物語」で紹介したミータン(♀)やニコ(♂)、タマ(♀)のその後の消息を報告してくれています。"神猫"と言われたミータンが28歳5カ月で亡くなった翌日、21年衆議院議員選挙の日にわが家の三女猫が旅立ちました。それだけに、ミータンの命日は忘れられません。

 ニコと同じ多摩川河川敷エリアに遺棄されていたのが、わが家の三男猫です。小西さんには、「『ほら、ニコだよ。覚えてる?』と見せますね」とお伝えしました。本誌を介して、魅力的な人たちとの交流が深まっています。「言葉の広場」の11月のテーマは「私と『週刊金曜日』」です。ご投稿をお待ちしています。(秋山晴康)