1505号
2025年01月24日
▼デビュー50周年で本誌2022年4月22日号にロングインタビュー「死を忘るるなかれ」を掲載したシンガー・ソングライター、あがた森魚さん(76歳)の旺盛な活動が続いています。
昨年10月30日には、オリジナルアルバム『オリオンの森』をリリースしました。あがた森魚さんは1972年のデビュー以来毎年のようにアルバムを発表し、2011年東日本大震災から24年までの14年間、今回のアルバムも含め18枚のオリジナルアルバムを毎年発表しています。『オリオンの森』は、あがた森魚さんらしい独特な世界観を持った作品で、ライブも堪能させていただきました。
公式サイト(http://www.agatamorio.com/)によると、4月までに二十近いライブの予定が入っています。先の記事であがた森魚さんは「いつも一つひとつをちゃんとやり遂げたいって思いでやってきた」と話しています。これからの活動にも注目です。(伊田浩之)
▼国を盗った、盗られた、誰が君主だ――といった話に興味がないので(おかげで日本史は相当苦労したクチ)、去年のNHK大河ドラマ「光る君へ」はおもしろかったのですが、今年の「べらぼう」はどうなるかな? 「江戸のメディア王」という存在は興味深いものの(ちなみに蔦屋書店と蔦屋重三郎は関係ないそうです)、舞台が吉原ということで、何か間違ったメッセージを伝えることにならないか、心配されるところ。
間違ったメッセージといえば、元SMAP中居正広問題。発表された声明は「示談したんだから解決済み」と主張していて、自分がやったことへの反省や、被害者への謝罪の気持ちなどが1ミリも伝わってきません。こんな声明が出されると、「そっかー。お金を払えば何をやってもいい、示談すれば自分のやったことは帳消しになるんだ」なんて思う人が出てこないとも限りません。(渡辺妙子)
▼災害が起きて住宅が傾いたり壊れたりすると「全壊」や「半壊」などと区分され、支援の差がつけられる。確かに損壊の程度の差はあるとは思うが、中には一見壊れていないように見えても歪んでしまったり基礎がずれたりして、そのままでは住めない場合もある。そういう実態を把握した上での区分なのか疑問に思うことがある。
特に不可解なのが「準半壊」だ。能登の特集でとりあげているが、「準半壊」だと仮設住宅に入れず、公費解体もできないのだという。「準」って何? 実態を見れば土砂が迫り危険な状態だとわかる住宅でも、この区分のために支援が得られず、困っている被災者がいる。もっと実情にあった区分と支援制度にするべきだと思う。これは災害列島に生きる私たち誰もが直面する可能性があること。この国に住む人々の命や暮らしを守れないなら、政府や自治体の存在意義などないではないか。(宮本有紀)