1508号
2025年02月14日
▼いま中居正広氏の件でフジテレビを批判している他の大手メディアも他人事ではないはずだ。2023年に大問題になったジャニー喜多川氏の性加害では放送各局の隠蔽体質が露呈。もっと遡れば18年には当時の財務事務次官によるテレビ朝日の記者へのセクシュアルハラスメントが発覚し、背景に「女を使ってネタをとれ」という意識があったことも指摘されている。どの事例も一社だけの問題というより業界全体の体質が関係している。だからこそ他社で発覚した事例を通して自省し、人権が尊重される仕事場にしようと各社が努力することが必要だと思う。
また、「中居氏が引退に追い込まれたのは個人事務所だったからで、大手芸能事務所の所属だったら、かばう報道や対応がされていた可能性はある」と言う芸能関係者もいる。今週号の特集で俳優の森崎めぐみさんが、大手芸能事務所がメディアにも強い力を持っていることを指摘しているが、この構造も闇が深そうだ。(宮本有紀)
▼水問題の専門家、グローバルウォータ・ジャパンの吉村和就さんに「くらしの泉」でコラムを書いていただいたとき、全国で水道管の老朽化が問題になっているが、交換には膨大な金と人手が必要で、一筋縄ではいかない――という回がありました。それが2017年のことです。水道管交換の必要性は、その後も多くの専門家が指摘していました。
埼玉県八潮市の道路陥没。地中に隠されていたインフラがあらわになり、崩れるさまは、これまで知らなかった多くのことを教えてくれます。公共事業というと諸悪の根源みたいに思われていますが、インフラを整備し維持する事業はなくしてはいけないと感じました。
普段の生活からは見えない水問題。下水ってどんなふうに処理されて、私たちの快適な生活はどうやって支えられているのか、興味を持った方は、ぜひ小社刊『そしてウンコは空のかなたへ』(平田剛士著)を。(渡辺妙子)
▼東京・世田谷文学館で開かれている企画展「漫画家・森薫と入江亜季 展―ペン先が描く緻密なる世界―」(2月24日まで)を観てきました。2人は、同時期にデビューし、同じ雑誌で連載を重ねてきました。2人は手描きにこだわっていて、その極めて繊細な線で描かれた絵が素晴らしい。原画の持つパワーに圧倒されました。
展示の終わりに雑誌作りのエピソードがありました。多くの漫画誌は、読者アンケートの順位を重視しています。ただ、『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)は、アンケート至上主義ではなく、編集長や現場の編集者が面白いと思う作品は、アンケート順位が低いだけで打ち切られることはないということが紹介されていました。森さんと入江さんが連載している『青騎士』(KADOKAWA)も同じ考えだそうです。「良いものを作れば必ず売れる」との信念で雑誌作りをしているとのこと。その信念と実績に励ましをいただきました。(伊田浩之)
▼『週刊金曜日』発行人就任と同時に、サポーターズ制度も担当しています。金曜日は依然苦しい経営状況が続いていますが、それを支えてくださっているのが定期購読者をはじめとする読者、そして、さまざまな形で支援金を寄せてくださっているサポーターのみなさまです。
サポーターズ制度の仕事は主に二つあります。支援金の管理とお礼状の送付、希望する方々への「サポーターズ通信」の送信です。以前は原稿を書くのみでしたが、昨年10月からは自ら作成もしています。最初はわからないことだらけで、前任者にLINEなどでしょっちゅう問い合わせていました(汗)。何時間もかかって作成したのに、手違いですべて消えてしまい、やり直したことも(涙)。でも、いまではサクサク作れて、自分の力で作り上げていくのがとっても楽しいです。現在、300人近くが読んでくださっています。(文聖姫)